“渡鬼”での名演技が光った赤木春恵さん (c)朝日新聞社
“渡鬼”での名演技が光った赤木春恵さん (c)朝日新聞社
赤木春恵さんの祭壇(撮影/福井しほ)
赤木春恵さんの祭壇(撮影/福井しほ)

 ドラマ「渡る世間は鬼ばかり」「3年B組金八先生」で知られ、11月29日に心不全のため、死去した赤木春恵さん(享年94)の通夜が12月3日夜、都内でしめやかに執り行われた。

【写真】渡鬼ファミリー、杉田かおるさん、武田鉄矢さんら、通夜に参列した人たち

「渡鬼」のテーマソングが流れる中、共演した女優の大空真弓、武田鉄矢、えなりかずき、杉田かおる、沢田亜矢子、川崎麻世らが弔問に訪れた。4日に告別式が行われ、弔辞は俳優の里見浩太朗、テレビプロデューサーの石井ふく子、大空らが読む。

“お茶の間のお母さん”として親しまれる名役者だった。 赤木さんは、本誌で連載している『ペコロスの母の玉手箱』の岡野雄一さんの原作を映画化した「ペコロスの母に会いに行く」(2013年公開)で、88歳にして映画初主演、母みつえ役を演じた。ギネス世界記録にも「世界最高齢での映画初主演女優」として認定されている。

 岡野さんは赤木さんと長崎市のロケ地などで対面した。

「車いすに座った赤木さんは“丸い”感じがあって、温かい雰囲気を醸し出していて、母ちゃんそっくりで驚きました」と岡野さん。後日、対談で再会し、赤木さんは「漫画で見たおばあちゃんはとてもかわいらしかったから、かわいく演じようと思った」と語ったといい、岡野さんは「素晴らしい役作りでした」と、当時を振り返った。

次のページ
赤木さんはロケ現場でも気配りを忘れなかった