最近はタイヤの性能が向上していることもあり、ある自動車ディーラーは「冬道の走行にチェーンをつけなくてもスタッドレスタイヤで十分」と話している。降雪地方でも冬道はスタッドレスタイヤでの走行が一般的で、チェーンを使うことが少なくなっている。

 そもそも、今後ドライバーはチェーンを購入し、自分で着脱できるよう習熟しなくてはいけない。金属チェーンは凍結路に強く、比較的に安いが、走行時の振動や騒音が大きく、雪のない乾いた道路だとすぐ切れてしまう。ゴム・ウレタン系素材など非金属チェーンは静かで振動も少なく乗り心地がいいが、金属性に比べてかさばるという問題があり、価格もやや高い。

「規制は事故防止にはなるのかもしれないが。でも、事故を起こすのは、スタットレスだからといって、雪道で無謀な運転をするようなドライバーです。常識的な人が煩雑な作業がふえるなんて…」(50代男性)

 運転に良心のあるドライバーからは恨み節も聞こえるチェーン規制。国交省の発表によると、今年度は北陸自動車道の加賀ICと丸岡IC間、今庄ICと木之本IC間など全国で13区間を検討している。

(本誌 浅井秀樹)

※週刊朝日オンライン限定記事