(c)Iwago Photographic Office
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撮影/岩合光昭 (c)Iwago Photographic Office
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 動物写真家・岩合光昭さんが見つけた“いい(こ)”を紹介する「今週の猫」。今回は、ハロン湾の「お供猫(にゃん)」です。

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 翡翠(ひすい)色の水面と奇岩が織りなす美しき世界遺産・ハロン湾。筏(いかだ)の上に家を建て暮らす水上の村で、2匹の子猫を愛でる、働き者の少年と出会った。

 夕暮れ、少年がイカを釣るため小舟に乗ると、子猫たちも我先にと飛び乗る。少年は左足で櫂を漕ぎ右足で舵を取り、器用に舟を操りながら、左手に糸をかけ右手に竿を持ち釣りをする。甘えたい盛りの子猫たちが肩に飛び乗っても微笑むだけで、黙々と糸を手繰る。1人と2匹をつなぐ愛情と信頼をカメラ越しに感じて、胸が温かくなった。

デジタル岩合
http://www.digitaliwago.com/

※週刊朝日2018年12月7日号

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岩合光昭

岩合光昭

岩合光昭(いわごう・みつあき)/1950年生まれ。動物写真家。1980年雑誌「アサヒグラフ」での連載「海からの手紙」で第5回木村伊兵衛写真賞を受賞。1982~84年アフリカ・タンザニアのセレンゲティ国立公園に滞在。このとき撮影した写真集『おきて』が全世界でベストセラーに。1986年ライオンの親子の写真が、米「ナショナルジオグラフィック」誌の表紙に。94年、スノーモンキーの写真で、日本人として唯一、2度目の表紙を飾る。2012年NHK BSプレミアムで「岩合光昭の世界ネコ歩き」のオンエア開始。著書に『日本のねこみち』『世界のねこみち』『岩合光昭写真集 猫にまた旅』『ふるさとのねこ』『ネコを撮る』『ネコへの恋文』など多数。初監督作品となる映画「ねことじいちゃん」のBlu-rayとDVDが発売中。

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