100巻に到達した『パタリロ!』魔夜峰央さんが明かす愛される理由

太田サトル週刊朝日
100巻を迎えたパタリロ●Amazonページはコチラ
拡大写真

100巻を迎えたパタリロ●Amazonページ...

 人気漫画『パタリロ!』(白泉社)のコミックスが、11月20日発売の最新刊で100巻に到達した。1978年の連載開始から40年、シリーズ累計発行部数は2000万部を超える。

【記念すべき100巻の表紙はコチラ】

“常春”の島国「マリネラ王国」を舞台に、国王のパタリロ8世をはじめ、側近のタマネギ部隊、英諜報機関M16のバンコラン少佐、その愛人のマライヒなどが活躍するギャグ漫画。

 めでたく100巻の発売を迎えた、作者の魔夜峰央さんは、100巻と連載40年を、「気が付いたらたっていたという気分です」と振り返る。

「一口に100巻といっても、『1年に1冊出しても100年かかる』と誰かが言っていました。連載当初は年に4冊のペースで出していたのですが、それでも25年かかる。落ち着いて考えてみると、長い時間だなと感じます」

『パタリロ!』は、魔夜さんの数ある連載の中でも「一番描きやすい作品」だと語る。

「極端な言い方をすれば、何も考えなくても描ける。何もしなくても、ストーリーやキャラクターが勝手に走り出し動き出す。私はその後を追いながら、自動書記のように記録している感じなんです」

 漫画評論家の中野晴行さんは、『パタリロ!』が愛され続ける魅力についてこう語る。

「メインキャラクターの設定や舞台設定を大きく変えないままに、融通無碍にストーリーを自由に展開しているところに面白さがあると思います。その中でパタリロ殿下をはじめバンコランやマライヒたちが、短編のオムニバス形式で自由に遊んでいくという繰り返しが、読者を飽きさせずにつなぎとめているのではないでしょうか」

「紅天女」という着地点を目指してストーリーが展開する『ガラスの仮面』や、連載当初から最終話の構想を決めているという『ゴルゴ13』など、他の長期連載作品とはまた異なる魅力をもつと、中野さんはいう。

「このスタイルは、ストーリー全体としてではなく、各エピソードの面白さを追求でき、時に泣ける話を入れたり、『ねこま天狗』や『西遊記』などのアウトストーリーの展開もできる。融通無碍だからこその間口の広さ。『なぜ?』『どうして?』という理屈にこだわらなくていいところは、若者を中心に人気の『異世界ファンタジー』のライトノベルにも通ずるものがあります」

続きを読む

TwitterでAERA dot.をフォロー

@dot_asahi_pubさんをフォロー

FacebookでAERA dot.の記事をチェック