清水建宇さん(本人提供)
清水建宇さん(本人提供)
「東風カタラン」の豆腐は絹ごし、木綿各2・30ユーロ(約300円)。「バルセロナはスペインでも物価が高いほうですが、それでも野菜や果物、肉や乳製品が日本にくらべてほぼ半値なので、暮らしやすいです」(清水さん)
「東風カタラン」の豆腐は絹ごし、木綿各2・30ユーロ(約300円)。「バルセロナはスペインでも物価が高いほうですが、それでも野菜や果物、肉や乳製品が日本にくらべてほぼ半値なので、暮らしやすいです」(清水さん)

 一般に「超高齢社会」とは65歳以上の人口の割合が全人口の21%を超えた社会のことをいう。日本は本年3月に沖縄県の高齢化率が21.1%になったことにより、ついに全都道府県が超高齢社会になった。いまや定年後も長い人生。第二の人生の過ごし方について社会的に関心が高まっている。

【清水さんが営む「東風カタラン」の豆腐の写真はこちら】

 マネースクール「ファイナンシャルアカデミー」(東京都新宿区)では、昨年10月から「50代のための定年後設計スクール」を開講。講座は毎回、活況を呈しているようだ。

「参加してくださる生徒さんたちの声を伺っていると、10年後、20年後、30年後の“漠然とした不安”の解決策を探している方がとても多いことを痛感します」と代表の泉正人さんは言う。

 本講座では家計設計、保険、年金、資産運用、相続等、お金に関する知識だけでなく、趣味の作り方や、その趣味を「仕事」に結び付ける方法などもレクチャーしている。

「そこが、生徒の皆さんの心に響くようです。お金があれば確かに老後の人生の選択肢は広がりますし、自分が大変なときは家事や介護を他者に依頼することもできます。でもお金があるだけで人生が豊かになるかというと、決してそうではないでしょう?」

 確かに。お金は生活の基盤ではあるが、それだけではきっと気持ちが萎えてしまうだろう。

「大切なのは、第二の人生に向けて早めに『自分が好きなこと』『自分がやりたいこと』を明確にしていくことです。そしてそれが仕事として成り立つのか? 具現化するためにはお金がいくらくらい必要なのか?といったことも連動して考えていくこと。そうすれば目的に向かってバランスよく知識をつけていくことができますから、第二の人生を自分の理想形に近づけることができるでしょう。ひとつひとつの要素をバラバラに思い浮かべて考えても、なかなかものごとは前に進まないと思いますよ」

 では実際にいま「第二の人生」を思いどおりに歩んでいる人たちは具体的にどのようにして人生のシフトチェンジを図ったのだろう。

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