■共通ポイント


[呼吸]
ポーズだけでなく呼吸もポイント。「吸うときにおなかを引っ込め、吐くときにおなかをゆるめる」のがコツ。この呼吸で横隔膜が鍛えられ、おなかを起点として体の前半分の筋肉が鍛えられる。吸うよりも吐くことが大切。また、息はすべて吐ききること。

[入浴後に行う]
タイミングは、入浴後がベスト。体が温まってやわらかくなっており、リラックスした状態で行えるからだ。風呂上がりにひざ裏を伸ばす習慣をつけよう。また、眠る前のストレッチは、良質な睡眠にもつながる。大切なのは長く続けること。

[無理は禁物]
過度に負荷をかけたり、無理をすると、ひざを痛めてしまうことにつながる。大切なのは「体を伸ばして気持ちいい」と感じること。毎日続けるうちに、体はやわらかくなっていくので無理はしないこと。できる範囲で行うことが大切だ。

■壁ドン
 ひざ裏伸ばし体操の、基本となるストレッチだ。ひざ裏を伸ばしながら両手で壁を押すことにより、肩、背中、おなかに力が入る。

 まず、壁の前に両脚をそろえ、背筋を伸ばして立つ。それから、脚を前後に開き、前の脚を曲げ、上半身の姿勢を崩さず壁に両手をつく。このとき、腰をグッと内側に入れることがポイントだ。壁につける手の位置は肩の高さが目安。手の指先は開くといい。前後の脚を入れ替え、左右各1回ずつ行う。

「この体操を行うときに注意したいのは、壁を押すことに意識を集中しすぎないことです。大切なのは、ひざ裏を伸ばすことです。それを忘れないでください」

 ひざが痛くて前の脚が曲げられない場合、脚を開く幅を調整すること。

「後ろの脚については、できるだけひざを曲げずに伸ばしてください。無理をしてはいけませんが、かかとで床を踏みしめる感覚を大切にしてください。かかとの下に和てぬぐいを敷き、家族の方などに引っ張ってもらい、それが抜けないようにふんばると、さらに効果的です」

 ポイントとなる呼吸は、壁に手をついたときに、おなかを引っ込めながら息を吸う。その後、壁を押しながら、5秒間くらいで5回に分けて細かく息を吐く。このとき、おなかとおしりに力を入れるようにすると、効率よく筋肉を鍛えられる。息を吐ききったら、再び、息を大きく吸う。

 体操を2週間程度続けると、おなかが引っ込んだと実感する人も多い。

「血流がよくなって内臓機能が活性化する効果も得られます。たった1回でも、体の調子がよくなったと感じるはずです」

(1)背筋をまっすぐにして立つ
(2)脚を前後に開く。後ろの脚はひざ裏をピンと伸ばし、前の脚を曲げる。両手を伸ばし、手は肩の高さで壁につけて、息を吸う
(3)両手を伸ばして壁を押す。かかとを踏みしめ、ひざ裏を十分に伸ばす。5秒間で息を吐く

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