(c)2016-CE QUI ME MEUT-STUDIOCANAL-FRANCE 2 CINEMA
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が行方不明」「スパニッシュ・アパートメント」などが世界的にヒットし、現代フランスを代表する人気監督になったセドリック・クラピッシュの意欲作「おかえり、ブルゴーニュへ」が全国で公開されている。1年を通してとらえた葡萄畑とワイン醸造の様子も見ものだ。

【「おかえり、ブルゴーニュへ」のワンシーンはこちら】

■10年ぶりに戻った故郷は記憶と思い出が残る場所

 フランス、ブルゴーニュ地方にあるワイナリーの長男ジャン(ピオ・マルマイ)は、世界を旅するために家を飛び出し、家族の元を去った。その間、音信不通だったが、父親の危篤を知り、10年ぶりに故郷へと戻ってくる。

 家業を受け継ぐ妹のジュリエット(アナ・ジラルド)と、別のワイナリーの婿養子となった弟のジェレミー(フランソワ・シビル)との久々の再会もつかの間、父は亡くなってしまう。残された葡萄畑と自宅の相続をめぐってさまざまな課題が出てくる中、葡萄の収穫時期を迎える。3人は自分たちなりのワインを造り出そうと互いに協力し合うが、一方で、離婚など、それぞれが互いには打ち明けられない悩みや問題を抱えていて……。

 本作に対する映画評論家らの意見は?(★4つで満点)

■渡辺祥子(映画評論家)
評価:★★★ なかなかGOOD!
ワイナリーに訪れる四季の移ろいとオーナー一家の人間模様を見るのが楽しい。相続人は誰でもいいけど<舌と情熱>が大切なのがワイン造り。クラピッシュ映画は人間観察眼が行き届いて共感できるが、構成が少し弱い。

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