林:なるほど。でも皆さん、面接に落ちても糸井さんに会えたというだけで満足なところもあるのかもしれない。

糸井:林さんが言うほど「糸井さんに会えて」みたいな時代じゃないですよ。逆に「林先生に会えて」じゃないですか。

林:「林先生」なんて、冗談はやめてください(笑)。今の若い子、私のことなんか全然知らないですよ。

糸井:そうか。自分も年とったからね。

林:ええ、がっかりしちゃいます(笑)。この間ブランド品を売りに行ったら、これニセモノじゃないの?みたいなことを言うから、「私のこと知りませんよね」「知りません」って言われて、すごくむなしいものがありました。

糸井:そうやってまたエッセーのネタができるわけだ(笑)。

林:ウフフ。それはそうと、糸井さんの会社では、火曜日は給食が出て、今週は親子丼だったそうですけど、それを聞いただけで入社したくなりました(笑)。水曜日は糸井さんが皆さんにお話をする日なんですってね。どんなことをお話しになるんですか。

糸井:けっこう真剣なことですよ。この会社がどうありたいかの問題です。それがもし目に見える技術とかだったら学べるだろうけど、技術とも言えないことだらけなんで。

週刊朝日  2018年11月30日号より抜粋