日本円にして大会賞金総額約11億円という大金だが、そこには前澤社長のゴルフ愛と同時にZOZOの海外戦略もある。これまでZOZOは中国や韓国などに進出してきたが、思うようにいかずに撤退していた。しかし、現在海外へ再進出に取り組んでおり、自社ブランド商品の海外販売に力を入れる。前澤社長は会見で「プライベートブランドZOZOの世界的認知度の拡大が一番の目的です」と隠すことなく話し、世界中が注目するゴルフ大会を協賛することで、特に米国市場での認知度を高める狙いだ。ZOZOの関係者は「大会運営自体も(PGAと)一緒にやれるということらしいので、大会を契機に選手にはゾゾスーツを着てほしいんですけどね(笑)」と期待する。

 一方、国内のゴルフファッション改革にも期待がかかる。青木会長は「今のゴルフ界の服装は、色鮮やかなファッションがない。ゴルフでもそういうのが浸透してくれると、ゴルフに対するイメージが華やかになると思う。前澤社長に期待しています」と要望した。

 自社の販売サイト「ZOZOTOWN(ゾゾタウン)」で既にゴルフ商品は取り扱っているが、そこまで種類は豊富ではない。また、自社ブランドのゴルフウェアもまだない。現在のゴルフ市場において、女性向け商品はゴルフ市場の間口を広げるためにも必須だ。そこで期待されるのが、恋人の女優・剛力彩芽の協力によるブランド認知とゴルフファッション改革だ。

 剛力が、ZOZOブランドの女性向けの可愛いゴルフウェアを着て、インスタグラムで投稿することで、注目され話題を呼ぶ事ができる。大いに“炎上する”可能性もあるが、それでも自社ブランドの宣伝には大きく寄与するはず。

 前澤社長は今回の会見で剛力との恋愛の話題に触れる事はなかった。

 ZOZOの関係者は「(剛力の活用について)今の所はないですが……、あっても答えるかわかりません」と苦笑いしていた。

 ゴルフを活用したZOZOの海外市場への足がかりと、自社ブランドの強化。野球以上の熱量を見せていた前澤社長のゴルフ愛や、そして剛力がゴルフウェアを着て投稿するかどうかも、ある意味で注目だ。(本誌・大塚淳史)

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