「6月発売の8月号に『DEAN & DELUCA』の保冷バッグを付けたところ、大きく売り伸ばせました。このブランドの付録企画は毎年行っていますが、年々充実度を増しています」

 もう一つは、今年から「45歳の壁」に関連した企画を毎号、取り上げていることだ。

「女性の体は更年期障害が始まる45歳ぐらいを境に大きく変わります。体形はもちろん、それまでできていたことが心身の不調で急にできなくなったりします。そういうときに役立つポジティブな対処法を提案しています」

 健康と美容がセットだが、健康法に走らないのがミソ。体の変化に合わせたファッションやスキンケア、メイクの仕方など、実践したいおしゃれと美容につなげていく。

「やっていると、45歳企画にすごく人気が集まることがわかりました。しかも、45歳をうたうことで、それよりも上の世代にも注目していただけるようになりました。アラフィフの読者が増えていると思います」

 50代前後の「大人女子」の参入が部数増加の一つの要因になったというのだ。

 確かに最新号の12月号にも、「45才からは、深みのある女。」というキャッチが表紙に躍っている。大平編集長は、今ではファッションも美容もすべて「45歳」にひもづけて考えるようにしているというが、これは創刊から8年経ったからこそできることだ。

「創刊当初は40代へと向かっていくアラフォーが主力ターゲットでしたが、彼女たちも時の経過で年齢を重ねています。それが企画の焦点を変えるきっかけになりました」

「GLOW」の主力読者は、実は「団塊の世代」の子供にあたる「団塊ジュニア世代」と重なる。「部数増加には、そうした世代効果も働いているはず」と見るのは、博報堂「新しい大人文化研究所」(新大人研)の阪本節郎所長だ。

「1971~74年生まれが真性団塊ジュニアで、広義でとらえると82年生まれまでが団塊ジュニアに入ります。この世代は団塊に次いで人口が多い『ボリュームゾーン』。それが次々に40代に入っていき、新しい読者になっていったのではないでしょうか。やっぱり『数は力』ですから」

 となると、真性団塊ジュニアを核に、上下の世代に支持を広げたことが「GLOW」躍進の秘訣になる。

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