「ガバナンスの面では権力が集中したことが誘因なので、公正なガバナンスをつくる。権力の集中は長い間で徐々に形成されてきたとしか言いようがない。ルノーと日産のCEOを兼務していたのが無理があった。ケリー氏はゴーン氏の側近として仕事をしてきた。ゴーン氏の権力を背景に社内をコントロールしてきた。これが実感であり実態」

―取締役会の招集は22日でいいのか。

「招集して2日あけるので22日木曜日」

―今回の話を知っていたのは西川氏のほかに何人か。

「数名の単位と思っていただいていい」

―ゴーンさんはカリスマでリストラをし、剛腕を振るってきた。暴君だったと言えるのではないか。報酬の記載が無いのは粉飾決算ではないのか。

「記載は適正ではなかったので瑕疵(かし)を認めて是正はする。正直言って私もいまに至るまで、当面の対応に追われじっくり考えることをもう少ししたい。事実として初期に、ほかの人間ができなかった改革を実施した実績がある。その後は功罪、両方ある。それは私の実感です。積み上げてきた全部を否定できないが、最近の状況を見るとやや権力の座に長く座っていたことに業務の面で弊害も見えた。私も意見を言うことがあったが、こういう事態になったので、従業員にも目に見える形で手を打っていきたい」

―一緒に逮捕されたケリー氏はどういう影響力を与えたのか。ゴーン氏は日産の顔だが、ブランドへのダメージやアライアンスへの影響は。

「ケリー氏はもともと日産出身で、専務執行役員という立場で仕事をしていた。幅広い仕事をして、絶えずゴーン側近として動いていた。そういう意味で影響力が大きい。近年は会長へのサポート以上のものはないので、影響力は徐々に落ちてきていた。ゴーン氏と日産を重ねる人は多いが、日産は日産。日産ブランドをそのものとしてご愛顧いただく。今回の事案で大きなショックがあり、影響がないとは言わない。できる限り努力していく。ルノーや三菱自動車とのアライアンスの関係には影響せず、より緊密に議論して決めていく。日常の運営面では、3社の責任者が集まって方向性を話し合って決める」

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司法取引はあったのか?