実証実験では、マッチング率の低さのほか、同乗者に対する利用者の不安も問題となった。どんな人が乗ってくるのか、トラブルに巻き込まれたくないという不安解消が大きな課題だ。

 日本交通グループの場合は、先乗り客が前の助手席、後乗り客は後ろの席に乗車することで乗客同士が近接することを避けた。大和自動車交通グループの場合は、3人まで相乗り可能とし、女性客には女性客だけでマッチングするように配慮した。

 全タク連によると、朝の通勤時間帯はタクシーがつかまりにくいという。こうしたタクシー需給がひっ迫しているときに、相乗りであってもタクシーに乗車できれば、利用者にとっての利便性は向上する。しかも料金が通常よりも安い。利用者、タクシー業界の双方にメリットのある相乗りが実現に向けて動き出している。(本誌・浅井秀樹)

※週刊朝日オンライン限定記事