そうなのだ。それが徹底してなされないのであれば、あたしは外国人労働者のこれ以上の受け入れに反対だ。

 この国が好きだから。

 差別がいかに恥ずかしいかという教育がなされないまま外国人労働者を呼んでしまうことは、この国の逆広報にならないか。

 なぜ、単純労働を担う外国人労働者の在留期間は最長5年で、その間、家族と一緒に住んではいけないことになっているの? 自民党の改憲草案では家族の大切さを謳っているくせに。つまり安倍政権は、外国人労働者を人として見ていないのでないか?

 自民党の議員の中には、在特会やヘイトスピーチ団体と仲が良い者もいる。思考がネトウヨ的な人も。

 まず、そこが変わらなければならないんじゃない? 同胞としてこれ以上、世界に恥を広めたくないの。

週刊朝日  2018年11月23日号

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室井佑月

室井佑月

室井佑月(むろい・ゆづき)/作家。1970年、青森県生まれ。「小説新潮」誌の「読者による性の小説」に入選し作家デビュー。テレビ・コメンテーターとしても活躍。「しがみつく女」をまとめた「この国は、変われないの?」(新日本出版社)が発売中

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