【文豪の湯宿】室生犀星が友・朔太郎と訪れた紅葉山人の宿 〈週刊朝日〉|AERA dot. (アエラドット)

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【文豪の湯宿】室生犀星が友・朔太郎と訪れた紅葉山人の宿

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鈴木裕也週刊朝日
香嶽楼(こうがくろう)/軽井沢で待ち合わせて向かった赤倉温泉で、盟友・萩原朔太郎と水入らずの時を過ごした(新潟県妙高市赤倉115)

香嶽楼(こうがくろう)/軽井沢で待ち合わせて向かった赤倉温泉で、盟友・萩原朔太郎と水入らずの時を過ごした(新潟県妙高市赤倉115)

宿自慢の源泉掛け流しの湯

宿自慢の源泉掛け流しの湯

 文豪たちの作品に登場する温泉宿を訪ねる連載「文豪の湯宿」。今回は「室生犀星」の「香嶽楼」(新潟県・赤倉温泉)だ。

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*  *  *
 若いころから日本中を旅して成長や発見の糧としていた室生犀星は、家庭を持ってからも、温泉で小説執筆に励んだという。

 犀星が最も旅を楽しんだのは、夏ごとに長野・軽井沢を訪れるようになった大正9年以降のこと。軽井沢を起点にして、信越本線に沿って観光地や温泉を訪れ、旅を楽しんだ。

 北原白秋が主宰する雑誌「朱欒(ざんぼあ)」の寄稿仲間で友人の萩原朔太郎とも、多くの旅を共にした。大正10年、32歳の夏には、朔太郎を電報で軽井沢に呼び寄せ、赤倉温泉を訪れている。

<香嶽楼の入口には、うすべにの葵が咲き、自動車を下り立つた私たちの目を一番さきに刺戟した。

 座敷は12畳の、高原一帯を見晴らせるところで、紅葉山人の「煙霞療養」にでてくる土地である。煙霞療養といふ題はなかなか新らしい。今だつてちよいと使へる。さういふ話をしてから一浴した>(「赤倉温泉」=「改造」大正10年9月)

 この後、茶を飲むために仲居を呼ぶベルをどっちが押すかで小競り合いになったと書かれているが、気の置けない友人同士ゆえのこと。

 詩人2人の思い出の宿だ。(文/本誌・鈴木裕也)

■香嶽楼(こうがくろう)
新潟県妙高市赤倉115

週刊朝日  2018年11月16日号


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