GINZA SIX (c)朝日新聞社
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 今、子育てから解放された50~60代女性の消費意欲が旺盛だ。背景には何があるのか、世代・トレンド評論家の牛窪恵さんが解説する。

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 どちらも元気ですが、50代と60代は世代的にだいぶ考え方が違います。

 まず50代ですが、ここは49~54歳の「真性バブル世代」と55~59歳の「新人類世代」です。バブル時代に20歳代を過ごし、もともと消費好き。体力は弱っても、能力はまだまだ潜在的に眠っていると思っている人たちです。なので、海外旅行なら秘境に行きたがり、ファッションでもトライしたことのないヘアスタイルやメイクをしたがります。子育てが終わって「自分のために消費したい」と思う時期でもあります。

 60代になると、全共闘の後の「しらけ世代」がメインです。この世代は自分らしさを重視して、あまり派手なものは好みません。お孫さんがいる人が増えてきますが、3世代消費も変わってきていて、孫とディズニーランドやUSJに行って一緒に楽しむ人たちが増えています。夫に気をつかわなくなるのも、この世代からですね。500円玉を置いて「コンビニでお弁当買ってね」と言って、出かけられる女子たちでもあります。

 男性が元気がない分、女子たちの消費が喚起されないと、日本は盛り上がりません。美しく元気でいたいという思いが高い分、その消費は起爆剤として重要だと思います。

週刊朝日  2018年11月16日号