本作に対する映画評論家らの意見は?(★4つで満点)

■渡辺祥子(映画評論家)
評価:★★★ なかなかGOOD!
痛ましい話なのだが、なんだかちょっとおかしい。哀しいけれど涙は出ない。そこには家族がちゃんとした家族になるための努力が見えるから。オリジナル脚本というのがカッコいいが、感情に流されて話の骨格が少し弱い。

■大場正明(映画評論家)
評価:★★★★ 超オススメ、ぜひ観て
当事者たちには深刻でありながら、傍から見ると滑稽な状況が頻出し、しかも強烈な印象を残す。目を背けがちな現実を見つめ、家族とは何かを真摯に探求する姿勢が揺るぎない作品なので、観賞にはそれなりの覚悟がいる。

■LiLiCo(映画コメンテーター)
評価:★★★ なかなかGOOD!
過去と現在の繋ぎ方が好きで観入ってしまいました。家族は理解し合っているようでそうではない。娯楽から学ぶことって度々あると思いますが、まさにこれもクスッと笑いながら大事なことを考える時間を運んでくれた。

■わたなべりんたろう(映画ライター)
評価:★★★ なかなかGOOD!
監督1作目に実の兄の自殺を取り上げた気概が感じられる。助監督として知られた方の監督作で人物描写の機微や撮影などに様々な趣向を凝らしている。意欲ゆえの上映時間の長さだろうが、幾分タイトにしてほしかった。

(構成/長沢明[+code])

週刊朝日  2018年11月16日号