──映画はおかしいシーンが満載です。お気に入りのシーンはありますか?

「クラブで踊るシーンはとても馬鹿げていて見ていて楽しい。また僕は車好きだから車を運転するシーンはどれも好きだ。バーチャルリアリティーのシーンはうまく構成できて満足している。あのシーンを思いついたときはすごく嬉しかった。実際に撮影するのはとても難しかったがね。最終的にはとてもうまくいったと思っている」

──車好きだそうですが、収集家ですか? レースにも参加したりするそうですね。

「僕は収集家とは言えないだろうな。数台所有している程度だから。収集するよりは、車に乗るのが好きなんだ。車を集める人の多くはガレージに保管していて眺めるのが中心で1年に1度しか運転しないとか……。僕の場合は運転する。車は動いていなければ車ではない、というのが僕の考え方だから。今は5、6台持っているが常に買い替えている。来年は今と全く違う車を5、6台持っているかもしれない。特にどんな車が好きというわけでなく、いろんな種類の車が好きなんだよ」

──例えばどんな?

「クラシックカーには興味がない。今、所有している車で一番古いのは1993年製かな。ビンテージカーに興味はないんだ。車を運転するのが好きなんだ。運転はとても治癒的な余暇の過ごし方、趣味セラピューティックだと思う」

──ホンダ・シビックなどを所有されていたそうですが、今は何に乗っておられるのですか?

「今、持っている車の一台はBMWi3で、映画に出てくるのと同じ電気自動車だよ。白い小型の車だ。どんな車でも運転するのは楽しい。高級車や優れた車である必要は全くないんだ」

──あなたの運転への一途な愛というのは、いかにして育まれたのですか?

「父が農場を持っていて、子供のころから身近に乗り物がたくさんあった。トラクターだったり、自家用車だったり。農場というのは最高の環境なんだよ。運転を習得するにはもってこいの場所だし、運転が楽しめる場所なんだ。だから若いころは公道を走る前に、家の農場でかなり長い間運転していたんだ」

(取材・文/高野裕子)

週刊朝日  2018年11月9日号