──15年前に大ヒットし、今回が3作目という一大プロジェクトに発展したことは、驚きですね。

「確かに。3本に15年かかったのは、僕が少々レイジーだからなんだが。興行的にも成功し嬉しいし、よい案が浮かべば3本目もアリだと思っていたんだがね」

──架空のジョニー・イングリッシュとあなた自身との共通点はありますか?

「長所については、共通していると言いたいが……。彼は意志が固く勇敢だ。僕はあまり勇敢ではないが、意志の固いところは共通しているかもしれないね。それ以外の彼はあまり好きではないんだよ。自己中心的で、10代のように子供っぽいところがある。欠点がたくさんある男だよ」

──63歳のあなたにとって映画の撮影で身体的につらいシーンはかなりありましたか?

「体力を必要とするシーンが多かったから、理学療法士に撮影現場に待機してもらっていた。体力を使うシーンは準備体操を欠かさないようにした。実は前作で、ふくらはぎの筋肉を痛め4、5日撮影を延期したことがあったんだ。今回はそういうことがないように健康管理に気を使ったんだよ」

──普段の健康管理はどのように気を配っていますか?

「運動は少しやっている。サイクリングは好きで、よくする。でも何かのスポーツをしているというわけでもない。サイクリングが中心だね。ジムでトレーニングすることはないよ」

──新作のテーマはアナログ対デジタルの世界なわけですが、あなた自身はハイテクな人ですか?

「ある程度テクノロジーには対処できているよ。電子工学と電気学の学位を持っているからテクノロジーが怖いとは思っていない。便利だからという理由でインターネットは使うが、ソーシャルメディアには全く興味がない。ツイッターやフェイスブックのアカウントは持っていない。ソーシャルメディアの世界は奇妙だと思うし、その一部になりたいと思わない。世の中の大半の人が話し合う媒体として意識はしているが。ソーシャルメディアは危険だと思う。他人を批判し、評価しようとする過酷な環境だと思う。僕は関わり合いたいと全く思わないんだ」

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