室井佑月(むろい・ゆづき)/作家。1970年、青森県生まれ。「小説新潮」誌の「読者による性の小説」に入選し作家デビュー。テレビ・コメンテーターとしても活躍。自らの子育てを綴ったエッセー「息子ってヤツは」(毎日新聞出版)が発売中
室井佑月(むろい・ゆづき)/作家。1970年、青森県生まれ。「小説新潮」誌の「読者による性の小説」に入選し作家デビュー。テレビ・コメンテーターとしても活躍。自らの子育てを綴ったエッセー「息子ってヤツは」(毎日新聞出版)が発売中
(c)小田原ドラゴン
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 10月24日から開会される臨時国会において、作家・室井佑月氏は森友学園を取り巻く疑惑の進展に注目する。

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 10月になるとテレビで新ドラマがはじまる。でも、あたしがいちばん楽しみにしているのは、こっちのドラマ。

 今月下旬から開かれる臨時国会。

 森友学園の土地に埋まっていたゴミは、実際は3メートルまでのところに埋まっていたらしい。計測も、3メートルまでだったとか。

 だとすれば、約8億円の値引きの根拠も嘘ということになる。

 この件に関して、このままにしておけない人は多いだろう。

 自殺した職員のお父さんがテレ東に出てきたし、不当拘束されていた籠池前理事長の奥さんが本を出版した。

 自殺者のお父さんの話は、観ていてこちらも辛くなった。せめて、この問題の全貌を明らかにして欲しいと強く思った。

 加計学園問題についても、加計理事長が再度会見を開いたが、あれだけ問題になった愛媛文書を読んでなかったり、安倍首相の名前を事務局長が勝手に語ったということにしたり。

 でもって、事務局長は会見に姿を現さなかった。

 事務局長が勝手にいったことだから許せといわれたわけだが、その証拠も提示しない。それで許されるわけがないだろう。加計学園には税金が440億円ほど投入されているのだ。

 それと、ジャーナリストの山岡俊介氏が追っていた安倍晋三事務所と暴力団の関わりについて。

 暴力団に通じる人物が刑務所から出てきて、安倍事務所と交わした、選挙妨害工作の決定的証拠となる3通の文書が出てきた。それらすべてに、安倍首相がこの問題に直接関与していることを示す記述があった。

 森友、加計、暴力団との関わり、それらの話はいずれもちっぽけなもので、そんな瑣末な問題を国会で取り上げるべきじゃない、という人もいる。

 しかし、森友、加計、暴力団の話は、安倍政権のいかがわしさがよく表れている。いかがわしい人に、この国の行く先や、我々の血税の使い道を任せていいのか、という話につながる。

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室井佑月(むろい・ゆづき)/作家。1970年、青森県生まれ。「小説新潮」誌の「読者による性の小説」に入選し作家デビュー。テレビ・コメンテーターとしても活躍。「しがみつく女」をまとめた「この国は、変われないの?」(新日本出版社)が発売中

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