川栄李奈 初主演映画でわかった“母の言葉”の意味

菊地陽子週刊朝日
「ドラマに出るよ。また脇役だけど」

 歌や踊りではなく、芝居がやりたい一心で、2015年にAKB48を卒業した川栄李奈さんは、ドラマの仕事が決まるたびに、母にそう報告していた。すると、母は決まってこう言った。

「何言ってるの。脇役がいいんじゃない。お芝居っていうのは、主役よりも脇役のほうがすごいんだよ」

 その言葉の意味を、彼女はずっと理解できなかった。でも、映画「恋のしずく」で主演に抜擢されて思った。「周りの方に助けてもらって、初めて真ん中に立てるんだ」と。

「今回、私が演じた橘詩織という役は、農学部に通うワインソムリエ志望の女子大生で、すごく普通の、どこにでもいそうなキャラクターです。でも、周りのキャラクターが皆さん個性豊かで、その人たちに“詩織”という役の輪郭を浮かび上がらせていただいたような気がしています。脇役がいて初めて主役ができる。そのことを実感しました。本当に、皆さんに助けていただきました」

 映画で詩織は、日本酒の酒蔵に実習に出ることになる。そこで日本酒の魅力に目覚めるのだが、舞台となった日本3大酒処の一つである東広島市西条は、先の豪雨災害で今年の酒造りを断念した酒蔵も少なくない。

「昨年の今頃、1カ月オールロケで撮影したんですが、朝は酒蔵から湯気が立っていたり、目に映るものすべて透明感があって、キラキラしていて、素敵でした。『映画を見て、広島に行きたくなった』って言われると、すごく嬉しいです」

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