「非常に楽しいサッカーを見せてもらった。中島は(2年前の)リオ五輪の時でもドリブルで相手を翻弄し、地元ブラジルの人も拍手するほどだった。今日の試合で、彼が選手交代でベンチに戻る際、拍手が巻き起こった。ファンも楽しませてもらった思ったからでしょう。ワクワク感がある。この試合を見ていれば、(日本代表の)乾や香川も焦っているのでは?」

 これまでの日本代表で、世界の強豪相手にドリブルで仕掛けることが出来る選手はなかなかいなかった。頼もしい彼らの姿に、六川さんはメッシやロナウドといった世界の名選手たちと重ね合わせた。

「中島のプレーはメッシに近い。ドリブルでカットインして(内側に切れ込んで)からのシュートを、メッシが得意にしている。堂安も左利きで右サイドから、内側に入ってきていた。日本は両サイドにメッシがいるようなものだった。敢えていうなら、中島はまたぎフェイントが得意なので、(ポルトガル代表の)クリスティアーノ・ロナウドって言い過ぎかもしれないですが…(笑)」

 当の中島や堂安は試合後、充実感を漂わせていた。

「相手とか舞台とか関係なく、サッカーは楽しいもんなんで、常に100%楽しめるようにしています。良いプレーを、体が勝手にしてくれる」(中島)

「埼玉スタジアムでウルグアイという相手に、こういう形から点を取れて一生思い出に残る」(堂安)

 彼ら2人だけでなく、長年、代表でプレーしてきた選手らもワクワクさせたようだ。長友佑都(32)は逆に「見てて楽しかったですか?楽しかったでしょ」と報道陣に問いかけるほど。

「彼らにどれだけ気持ちよくプレーさせるか。(中島)翔哉ともあまり一緒にしたことがなかったので、彼自身が楽しんでプレーしているところを僕も見たかった。今後も楽しみ。もし僕が代表に選ばれてなくても、試合に見にいきたいと思うくらい、生き生きとしたサッカーをやっていた。日本代表、面白くなるんじゃないすか」(長友)

 森保ジャパンになってキャプテンを務める吉田麻也(30)も手放しで攻撃陣をたたえた。

「正直、非常に面白いなと思いました。今までなかなか、あんなにドリブルでしかけられる選手たちは、少なかったと思います。相手も嫌がってたのでは。守備のところで改善をしていくことはあったが、そこで言って、彼らの良さを潰すようなことをしたくなかった」

 スタジアムを訪れた約6万人の観客だけでなく、味方選手をも魅了した新生日本代表の攻撃陣。2人の“メッシ”から目が離せない。
(本誌 大塚淳史)
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