姿勢を良くするだけで、業績・成績アップにつながるのなら、ぜひ実践してみたいところ。全国ストップ・ザ・ロコモ協議会副理事長で、立腰姿勢に詳しい林整形外科の林承弘院長にそのポイントを聞いた。「腰骨を立てるのは誰でも簡単にできる」という。

 まず、背もたれに寄りかからないように座る。腰に手を当て、その部分の腰骨を前に押すイメージで腰を伸ばす。あごを引き、肩の力を抜く。肘、腰、膝の角度が90度になるように座る。

「この姿勢が、一番体に負担のない形。背もたれは、リラックスするときにはいいが、実は腰や肩などに負担をかけています。正しい姿勢はやろうと思えばすぐにできる。普段から習慣づけることが重要です」

 正しい姿勢がとれているか不安に思うこともあるが、自分で簡単に確認する方法がある。壁を背にして立ち、後頭部、背中、おしり、かかとの4点が壁に付くようにする。やってみればわかるが、意外と後頭部や背中が壁から離れていたりする。この姿勢の感覚を座った状態でも意識する。

「正しい姿勢を一度、体で理解できれば、簡単にできるようになる。最初は姿勢を維持することが大変に感じますが、最終的にはこの姿勢が体に支障が最も出にくいので、頑張って継続してほしい」(林院長)

 背で背もたれに寄りかかりながら、普段、仕事をしている記者も実際に腰骨を立てる姿勢をやってみた。確かに息が吸いやすく、仕事がしやすい。

 しかし、油断しているといつの間にかいつもの姿勢に戻ってしまっていた。もっと簡単に良い姿勢を手に入れる方法がないか。

 座るだけで、正しい姿勢に導くいすがあるという。その一つが、「坐骨」で座るとうたう「アーユル チェアー」。このいすは、小さな座面をまたいで座るような設計で、骨盤を立たせ、正しい姿勢になるという。つまり、腰骨を立たせやすい形のいすなのだ。実際、こうしたいすを積極的に導入している企業も出てきている。

 子育て支援事業などに取り組むネクストビート(東京都渋谷区)では、今年4月から53脚、導入。同社は集中スペースを設け、そこにこのいすを置く。

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