オウムを追い続けた江川紹子が今感じる「カルト化する現代の空気」 (2/3) 〈週刊朝日〉|AERA dot. (アエラドット)

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オウムを追い続けた江川紹子が今感じる「カルト化する現代の空気」

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松岡かすみ週刊朝日#オウム真理教#林真理子
江川紹子(えがわ・しょうこ)/ジャーナリスト。1958年、東京都生まれ。神奈川新聞記者を経て、フリーのジャーナリストに。オウム問題や冤罪事件、災害など、国内外のさまざまな問題に取り組む。95年、一連のオウム報道で菊池寛賞を受賞。大のオペラ・クラシック愛好家としても知られる。著書に『特捜検察は必要か』(岩波書店、編著)など多数。自身のツイッター(@amneris84)やヤフーニュース「江川紹子のあれやこれや」で旺盛な論評も展開している。(撮影/大野洋介・写真部)

江川紹子(えがわ・しょうこ)/ジャーナリスト。1958年、東京都生まれ。神奈川新聞記者を経て、フリーのジャーナリストに。オウム問題や冤罪事件、災害など、国内外のさまざまな問題に取り組む。95年、一連のオウム報道で菊池寛賞を受賞。大のオペラ・クラシック愛好家としても知られる。著書に『特捜検察は必要か』(岩波書店、編著)など多数。自身のツイッター(@amneris84)やヤフーニュース「江川紹子のあれやこれや」で旺盛な論評も展開している。(撮影/大野洋介・写真部)

江川:カルトって批判されると「自分たちは真理であり正義である。今その真理や正義が迫害されている」という被害者意識がすごく強いんですが、そういう現象も今よく見ますよね。それから、迷いとか曖昧さを許さず、ある考えを受け入れるか受け入れないかで人の善悪の評価も決まってしまう。まさに宗教の世界に近いと思うんですね。

林:これってすごく恐ろしい流れですよね。私がこの世界に入ったときには見られない現象です。私なんて何か言われたら「キャンキャン」って尻尾丸めて逃げてますが、江川さんはもうコワいものなんてないんじゃないですか。

江川:今、多くの人は民衆からのリアクションを恐れていると思うんです。ちょっと前ですけど、野球の清原(和博)さんが覚醒剤で捕まったときに、甲子園歴史館に展示してあった清原さんのバットなどを撤去したという報道があったんです。

林:それって、覚醒剤と全く関係ないじゃないですか。

江川:ええ。だけど館長さんは「教育上の配慮から」とおっしゃっている。釈然としないので、歴史館に「どういうことですか?」って電話してみたんです。そしたら、「親子連れで来られる方が多いので、親が子どもに聞かれて困るから」だという。でも、若いときにすごい活躍をしたけれども、ちょっと気をゆるめるとこうなっちゃうんだという教育効果があるんじゃないですか?と言うと、「そう受け止める人もいるが、そうじゃない人もいる」とおっしゃった上で、「“過剰反応だ”と言われるほうが“後手に回った”と言われるよりもいいんです」と言ったんです。

林:ほぉー。

江川:そのとき、今の時代の空気は、「これだ!」と思いました。殺傷事件なんかがあると「刃物が出てくるアニメは今日は控えます」とか、いろんな自粛があるじゃないですか。それもこれも、「過剰反応だ」と言われるほうが「後手に回った」と言われるよりもいいという空気が、日本全体に蔓延してる証しだと思うんです。

林:なるほどねえ。確かに、それってすごく当てはまる気がしますね。最近の事件の中では、何か気になるものはありますか。


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