著名人がその人生において最も記憶に残る食を紹介する連載「人生の晩餐」。今回は歌手・ジュディ・オングさんの「トゥーランドット臥龍居」の「命の壺蒸しスープ」だ。
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こちらのオーナーシェフの脇屋さんとは、今から20年くらい前に私が司会を務めたNHK 「食卓の王様」でお会いしたのが最初。当時はまだお若かったけど、その頃からすごく勉強熱心で。日本の食材を中国料理に取り入れる技術は見事でした。 ここは器も調度品もセンスが良くて、サービスも心地いい。中国人のお友達をお連れしても、皆さんに満足していただけます。
美しい陶器の壺に入れて熱々で出されるこのスープは滋養たっぷり。ちょっと体調がすぐれない時に飲むと元気が出るんです。しかも鶏肉のコラーゲンのおかげで翌朝、お肌はつるつるに。丸鶏を煮て上湯スープをとるのに、北海道の昆布も使われているんですって。どうりでだしのうまみが奥深いはず。台湾生まれの私は小さい頃から薬膳の考え方に親しんできました。鶏肉やショウガは体を温めてくれますし、ナツメは女性の体にとてもいいんですよ。いまも元気で歌が歌えるのは、こうしたお料理が私のパワー源になっているからだと思います。
(取材・文/今中るみこ)
「トゥーランドット臥龍居(がりゅうきょ)」東京都港区赤坂6‐16‐10 Y’s CROSS ROAD1・2F/営業時間:平日8:00~22:00L.O. 土日祝9:00~22:00L.O./定休日:なし
※週刊朝日2018年10月12日号