「マリナーズは来季の開幕戦を日本(対アスレチックス。3月20、21日。東京ドーム)で行うことになっていて、そこでイチローが現役復帰することは確実視されています。主催者はチケットを売るために、イチローの見納めになるかも、と引退をにおわす盛り上げ方をするでしょうからね。問題はその後。戦力としての復帰は難しい、という見方が専らですが、なにしろ会長付特別補佐という想定外のポストを与えられた男ですから、何とも言えません」(スポーツ紙デスク)

 はっきりしているのは、イチローの現役へのこだわりが、半端ない、ということ。今季の彼がストイックなトレーニングを完遂したことが何よりの証拠だろう。

 なのに遠く離れた日本では、こんな話を耳にするのである。

 それは、オリックスの新監督人事に関して。成績不振の責任を取って辞任を表明した福良淳一監督の次の監督は誰か? となったとき、オリックスのOBでスター選手だった田口壮2軍監督が候補だと伝えられ、なるほど、と思っていたら、西村徳文ヘッドコーチの昇格が有力と伝えられたのだ。

 OBではなく、福良監督が招請した西村氏。オリックス球団との関係が濃くはない同氏が、なぜ? と思っていたら、こんな話を耳にした。

「田口はイチローとあまり仲が良くない。だから、田口を監督にしたらイチローがオリックスに戻ってこなくなるのでは、という懸念からだそうです」(同前)

 イチローは今でも自主トレでオリックスの施設を使い、オフには必ず宮内義彦オーナーと会うと言われ、両者の関係は良好というのが定説。彼が日本球界に復帰するならオリックスが有力候補だと言われ続けてきた。しかし、ここ数年、成績が下降し、選手としての晩年に入っているのが明らかであるにもかかわらず、日本球界復帰とはならず、本人がメジャーに固執しているのは明らかだ。

「それでも宮内さんは、プレーヤーでも、監督としてでもいいから、戻ってきてほしいと、イチローのオリックス復帰に未練がある。それを知っていて宮内さんにいい顔がしたい人間が忖度し、田口を監督にしたらイチローが戻ってこないから西村監督で様子を見てイチローにつなげましょう、と持ちかけたとか」(同前)

 そんな思惑と関係なくイチローはこれからもメジャーに固執するのだろうから、宮内オーナーと会うときは一体どんな顔をしているのか、見てみたいものだ。(黒田朔)

※週刊朝日オンライン限定記事