大竹しのぶ(おおたけ・しのぶ)/俳優。1957年、東京都生まれ。75年、映画「青春の門―筑豊篇―」ヒロイン役で映画デビュー。同年、NHK連続テレビ小説「水色の時」に主演し、国民的ヒロインとなる。以降、舞台、映画、テレビドラマ、コンサートなど幅広く活躍。2011年、紫綬褒章受章。著書に『まあいいか』(朝日新聞出版)など。11年の初演以降、今年で4度目の上演となる主演舞台「ピアフ」の音源を収録したアルバム「SHINOBU avec PIAF」が10月10日発売(撮影/小山幸佑、ヘアメイク/新井克英)
大竹しのぶ(おおたけ・しのぶ)/俳優。1957年、東京都生まれ。75年、映画「青春の門―筑豊篇―」ヒロイン役で映画デビュー。同年、NHK連続テレビ小説「水色の時」に主演し、国民的ヒロインとなる。以降、舞台、映画、テレビドラマ、コンサートなど幅広く活躍。2011年、紫綬褒章受章。著書に『まあいいか』(朝日新聞出版)など。11年の初演以降、今年で4度目の上演となる主演舞台「ピアフ」の音源を収録したアルバム「SHINOBU avec PIAF」が10月10日発売(撮影/小山幸佑、
ヘアメイク/新井克英)

 還暦を過ぎても今なお若々しい女優・大竹しのぶさん。作家・林真理子さんとの対談では、11月に4度目の上演となる主演舞台「ピアフ」(11月4日~12月1日 シアタークリエ)の話題で盛り上がりました。

*  *  *

林:森光子さんは90歳近くまで「放浪記」をおやりになってましたが、大竹さんも「ピアフ」がライフワークになりそうですね。

大竹:いや、そんなにやらないです。絶対ムリ、それは(笑)。

林:2年くらい前の瀬戸内寂聴先生のエッセーの中で、先生が秘書の方に突然「あした(大竹さんの)『ピアフ』を見に行くわよ。いま行かないと見られないから、冥土の土産に」とおっしゃって……。

大竹:ほんとに次の日、見に来てくださったんです。

林:先生は、「なんでそんな年になるまで書くのか、と人は言うけど、書くことが私の人生なんだから、楽しくて仕方がない」とエッセーに書いてらっしゃいましたが、大竹さんにとっての芝居もそんな感じじゃないですか。「私は芝居オタクだから、稽古も楽しくて仕方がない」っていろんなところに書いてらっしゃるでしょ。

大竹:稽古も楽しいし、芝居の本番も楽しいんですけど、それだけをやっていたいとは思わないですね。やっぱり日常の生活とか旅をしたりとか、自分自身の楽しみがないとバランスがとれないなと思います。一年中ずっと芝居していたいかと言われたら、絶対イヤですね。

林:でも、インタビューで「お休みが取れたらどうしますか」って聞かれて、「60歳になったらしばらく旅行でもしたいけど、やっぱり芝居のことを考えちゃうんじゃないかな」とおっしゃってましたよ。

大竹:今のペースもそれはそれで幸せなんだけど、もう少し自分の時間を持ちたいなと思うんです。今まで年に3本ぐらいやっていた芝居を、来年ぐらいからちょっと減らしていこうかなとは考えていますね。

林:舞台は、どのぐらいの期間にわたってお稽古するんですか。

大竹:だいたい1カ月ですね。演出家にもよりますが、稽古は12時ぐらいから7時ぐらいまでが基本です。一本の芝居をやると稽古と本番を含めて2~3カ月はかかるから、3本やれば9カ月はとられちゃうんです。

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松岡かすみ

松岡かすみ

松岡かすみ(まつおか・かすみ) 1986年、高知県生まれ。同志社大学文学部卒業。PR会社、宣伝会議を経て、2015年より「週刊朝日」編集部記者。2021年からフリーランス記者として、雑誌や書籍、ウェブメディアなどの分野で活動。

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