──大八木さんも「男だろ!」とか、レース中に叱咤するいろんな言葉が話題になります。福島のイントネーションが、駅伝ファンはまっすぐな感じで好きなんだと思いますが。

大八木:おれはなまりがとれないから。

──酒井さんはなまりが出ないですね。

大八木:うちの藤田(敦史ヘッドコーチ)も出ないなあ。おれだけだね、ものすごくなまりが出るのは。意識しているわけじゃないけど、抜けないんだよね。まあ、陸上が好きでここまでやってきているわけです。自分の思いが言葉になって出てしまうんじゃないですか。それがそのまま出てるだけ。純粋に。包み隠さず、すべてが。

──近年、大学駅伝が非常に人気があって注目されていますが、どう受け止めていますか。

酒井:競技界の底上げのきっかけになってくれればいいと思います。駅伝を走りたいから長距離やろうかなとか。いろんなスポーツがある中でね。トップクラスの選手は、駅伝を「目標」から「強化」にしていかないと。

大八木:駅伝ブームはいいですけどね。大学だけで終わらないようにしてほしいなという感じがしますね。

酒井:選手は勘違いしてほしくない。SNSやれば、フォロワーがどれだけつくとか、おれって人気者?って勘違いするじゃないですか。われわれもそこを勘違いしないようにしなきゃいけない。

■全日本大学駅伝 青学か東洋か

大八木:勘違いすると実業団に行って、えっ?というふうな感じで現実を見てしまう選手が出てくる。もっと簡単に上に上がっていくんじゃねえかなと自分で思っていても、なかなかそうはうまくはいかないから。

──駒沢は14年の、東洋は15年の全日本で優勝した後、3大駅伝で勝っていません。その間、箱根で青山学院が4連覇しました。なにがこの差を生んでいると思いますか。

酒井:うーん、そうですね、選手層ですかね。今年、うちは上位の選手の力はあります。駅伝は、上で稼ぐタイムもそうですけど、下の1人、2人の差が大きい。ここ4年くらい選手層が薄くなって、なんとか下級生を起用して戦っていましたが。

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