――心当たりがないこともないですけど……。
友近:ほんとですか?
秋山:僕らはまったく知らないので、すみません。国産なので、「船と氷山」は当然、日本の船を使っていますよ。
友近:夢の大地である千葉に向かっていくんです。
秋山:主人公がラッキーなことに、浜松町から千葉へ向かって出航する夢のチケットを一枚だけつかむことができるという、壮大なストーリーになってます。
――洋画的要素はどこにあるのでしょう?
友近:ストーリーの運びというか、見ていただいたテイストというか。テンションが高いですね、喋り方も。
秋山:そう、喋り方も洋画ですし、日本ではない、ロマンチックな部分もでてきます。
友近:物思いにふけるとか、何か考え事をするとか、そういうとき、船ってデッキに出たくなるじゃないですか。特に、我々が引っ張っていくぞ、っていう状況では、舳先に。
秋山:うまいこと船のどこかを使いたいけど、どこがいいんだろう?って思ったときに、船の先端だろうと。
――船の舳先といえば、レオナルド・ディカプリオとケイト・ウィンスレットの有名なシーンが思い浮かぶんですが……。キスシーンはありますか?
友近:そうですね。
秋山:もちろん、船の中で起こることはすべて考えていますから。
友近:映画好きの人が選ぶ、ラブシーンベスト3に入る場面になると思います。
秋山:元々役者ではないので、やりたくないって気持ちもあったんですけど、印象に残るキスシーンにしたいなと。
友近:BGMもオーケストラで、凝りました。
秋山:この音楽を聴くと、まぁ、いつかこれは「船と氷山」だなって言われるような力の入れ方をしてますね。
友近:「船と氷山」と同じくらい、私がずっと作りたかったのが3本目の「げきつき」なんです。まだ撮影には入っていないんですけど。
――「げきつき」?
友近:ええ、激しく突くと書いて、「激突(げきつ)き!」です。
秋山:友近さん、これは構想長いって言ってましたね。
友近:ええ、この世界に入る前から、こういうテーマでできたらおもしろいなっていうのを実現しました。
秋山:車ものなんですよ。
友近:抜いて抜かれてのカーチェイスが撮りたいなと。昨今、追い抜かれた人が腹を立てて事件を起こすというのが社会的な問題になっているじゃないですか。