貴乃花光司(元横綱)/1972年、東京都生まれ。90年新入幕。兄の若乃花とともに活躍し、相撲界に若貴ブームが沸き起こった。94年に横綱昇進、2003年の引退後は一代年寄貴乃花となり、貴乃花部屋の師匠に=9月25日、元横綱日馬富士の傷害事件で今春提出した告発状を巡り、日本相撲協会に退職届を提出した後、会見 (c)朝日新聞社
貴乃花光司(元横綱)/1972年、東京都生まれ。90年新入幕。兄の若乃花とともに活躍し、相撲界に若貴ブームが沸き起こった。94年に横綱昇進、2003年の引退後は一代年寄貴乃花となり、貴乃花部屋の師匠に=9月25日、元横綱日馬富士の傷害事件で今春提出した告発状を巡り、日本相撲協会に退職届を提出した後、会見 (c)朝日新聞社

 9月25日、元横綱日馬富士の傷害事件で今春提出した告発状を巡り、日本相撲協会に退職届を提出した後、会見した元横綱の貴乃花光司。ファッションデザイナーのドン小西氏がファッションチェックした。

【写真】貴乃花といえば、このスリーピースの着こなしも印象的だが…

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 このスーツ姿を見て、わかったこと。この人は相撲協会から抜けるのが正解ってことだよ。八角理事長も芝田山親方もそうだけど、元お相撲さんのスーツって、前のボタンが留まればそれでよしっていうレベルだろ。肩幅がやたら広くて、袖もズボンもダボダボ。とても見られたもんじゃないよね。

 ところがこの人はぜんぜん違う。首に吸い付くようなワイシャツの首回り、上着の袖口からチラッとのぞかせた白いカフス、そして大きな体にフィットしたシルエットと、すみずみまで気配りが利いてるもんな。まさしくスーツがわかっている人の着こなし。あのダボダボスーツのおじさんたちとは、話が合うわけないんだって。

 おまけにこの日は、言い訳しない男の美学がスーツににじみ出て、いつも以上にセクシーでクール。ハードボイルド映画のシーンかと思うほど、かっこよさに磨きがかかってたよ。ま、義理人情もすっ飛ばして、いきなり告発したりする現代っ子ぶりも、この趣味ならさもありなん。どっちが正しいかは別として、永遠に平行線だよね。はい、おつかれさまでした!

(構成/福光恵)

週刊朝日  2018年10月12日号