「免疫チェックポイント阻害薬と分子標的薬や抗がん剤を併用する臨床試験が世界中で実施され、一部、いい結果が出てきています」(同)

 手術可能な患者に対しても術後の再発予防として免疫チェックポイント阻害薬が有効かどうかの研究が、実施されているそうだ。なお、ステージIIIで手術ができない患者に対して、放射線化学療法後に新しいタイプの免疫チェックポイント阻害薬を使うと、再発までの期間を延長できるという報告が出たという。

 治療が難しく、取り残されているといわれる小細胞がんに対しても免疫チェックポイント阻害薬を使った臨床試験が現在、進行中だ。

 こうした研究が実用化され、薬物療法が3次治療以降も続けられるようになれば、生存期間はさらに延長する。近い将来、肺がん=難治がんと言われなくなることを期待したい。

(文/狩生聖子)

※週刊朝日ムック「肺がんと診断されました」から抜粋