緑内障は進行性の病気だが、点眼薬でしっかり眼圧を下げる治療を継続すれば、進行を遅らせることはできる。点眼薬にも1日1回さすものも、3回さすものもあり、ライフスタイルに合わせられる。
早期であれば、自分の視野の欠け方を把握し、目や頭を動かすなどして見えない部分をカバーする、視界が悪い夜間や雨の日の運転を控えるといった対策を取れば、運転も続けられる。
一方で、視野障害が進んでしまったら運転は難しい。
そのためにも、40~50代を過ぎたら定期検査として、一般的な視力検査のほかに「視野検査」や「眼底写真」を撮る検査を受けることも大事だという。
緑内障にはいくつかの型があり、目の形など遺伝的な要素が関係してくるケースもある。岩瀬さんは「緑内障発作を起こしたおばあさんの姉妹、娘、女の子の孫はリスクが高く、もう少し若いときから検査を受けてもいい」という。型によっては近視や遠視もリスクになるそうだ。
先の調査では「視野を気にする」と答えた人は、「視力を気にする」と答えた人の3分の1以下だった。「視力だけでなく、視野にも関心を持ってほしい」と、岩瀬さんは呼びかける。
「“目がいい”というと、どうしても視力のことばかりに目が行きがち。ですが、視野がしっかり保てなければ、見え方は悪くなります。視野が欠ける病気は緑内障だけでなく、加齢黄斑変性や脳卒中でも起こります。『最近、老眼が進んで、モノが見えにくいんだけれど……』と気になる方は、まずは一度、眼科を受診してください」(同)
(本誌・山内リカ)
※週刊朝日 2018年10月5日号