床におもちゃが散乱していても、片づけなんてしょせんただの作業。親が一緒にすませたほうが効率的だ(※写真はイメージです)
床におもちゃが散乱していても、片づけなんてしょせんただの作業。親が一緒にすませたほうが効率的だ(※写真はイメージです)

 うつ病を克服し、偏差値29から東大に合格。ベストセラー『偏差値29から東大に合格した私の超独学勉強法』の著者・杉山奈津子さんが、今や4歳児母。日々子育てに奮闘する中で見えてきた“なっちゃん流教育論”をお届けします。

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 子どもは、夢中になると次々とおもちゃ箱をひっくり返して遊んでしまいます。一方で親はめためたに散らかった部屋をみてうんざりし、「片づけなさい!」と叱ってしまいがちです。

 でも、私は、子どもの時期はそんなに片づけに重心をおかず、自由に遊ばせたほうがいいのではないかな、と思います。床におもちゃが散乱しているのを見て、ため息をついてしまう気持ちはわかりますが……。片づけなんて、しょせんただの作業です。子どもが遊び終わったあと、親が一緒になってパパッとすませてしまったほうが時間的にも効率的にも簡単に済むのではないでしょうか。

■整理は全部親がやる! 子どもはとにかく勉強に集中

 夫は小学校の頃、中学受験で有名な塾に通っていました。そこで義母は、「書類などの片づけや整理は全部親がやるように」と教えられたそうです。母親は子どもが勉強しやすい環境づくりをして、子どもはとにかく勉強に集中することが、中学受験のコツなのだそうです。子どもの遊びにも通じるところがあるでしょう。

 そもそも一つのおもちゃで遊び終わった後に、いちいち片づけをして別のおもちゃで遊び始めるという行為は、一見ちゃんとしているようですが、実際はかなり面倒くさいことです。

 大人におきかえて考えてみてください。資料で調べ物をしたいとき、1冊本を読むたびに本棚にしまいまた1冊持ってくるのはコスパが悪いです。何度も本棚を往復する作業をはさむことで、集中力も途切れてしまうでしょう。

 それよりも、似た部類の資料をたくさんもってきて、調べたい箇所を一気に広げて、終わった後に本棚にしまうほうが、時間がかからないうえに、ある本と別の本の内容を組み合わせた、さらに一段上の発想が生まれる気がします。

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杉山奈津子

杉山奈津子

杉山奈津子(すぎやま・なつこ) 1982年、静岡県生まれ。東京大学薬学部卒業後、うつによりしばらく実家で休養。厚生労働省管轄医療財団勤務を経て、現在、講演・執筆など医療の啓発活動に努める。1児の母。著書に『偏差値29から東大に合格した私の超独学勉強法』『偏差値29でも東大に合格できた! 「捨てる」記憶術』『「うつ」と上手につきあう本 少しずつ、ゆっくりと元気になるヒント』など。ツイッターのアカウントは@suginat

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