ボランティア募集のホームページ
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広瀬すずさんが起用されたボランティア募集のポスター(東京都のホームページから)
広瀬すずさんが起用されたボランティア募集のポスター(東京都のホームページから)

 東京五輪・パラリンピックの大会ボランティア募集が9月26日から始まる。

【広瀬すずさんが起用されたポスターはこちら】

 大会組織委員会は1日あたり1千円分のプリペイドカードを渡すことを18日に決めた。参加者が交通費などを自己負担することへの批判をかわす狙いだが、ネットを中心に反発は根強い。ほかにも大学生や協賛企業の会社員らを、事実上“動員”しようとしているという指摘もある。約11万人という目標達成には課題も多い。

 文部科学省とスポーツ庁は国公私立大学などに、学生のボランティア参加を促す通知を7月に出した。授業や試験日程の変更も提案しており、これにはボランティア確保のために学業を後回しにする「国策動員」だとして、大学教員らが疑問を示した。

「大学生で足りないならサラリーマン」というわけでもないだろうが、協賛企業も従業員に参加を呼びかけている。人数集めのノルマが各企業に課されているのではないかとの報道も一部であった。ネットでは、まるで“徴用”だと波紋が広がっている。

 これに対し、組織委員会は、ノルマは否定しつつも、目安となる人数を各企業に伝えたことは認める。

「ボランティアに関心がある従業員に参加いただけるよう周知をお願いしています。各パートナー(協賛企業)から希望が多く寄せられていることから、応募促進の目安の人数をお伝えしています」

 希望者が多すぎるので「目安」を伝えたという説明だが、企業側からすればその人数を確保することが目標になり得る。仮にそれを下回る人数しか手を上げなかった場合は、社内で何度も呼びかけがなされる可能性もある。実際、ある協賛企業の40代社員はこう漏らす。

「大会は平日にもあるので、業務上休みにくい人はそもそも参加できません。休みやすい部署の人に上司が声かけをして、人数を確保しようとしています」

 大会のゴールドパートナーの富士通は、約300人のボランティアを集めた。広報はこう説明する。

「オリンピックのスポンサー契約の中に、ボランティアに参加することができるという内容が盛り込まれていました。約2千人から応募があり、そのうち約300人を選びました」

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賛否両論あるボランティア募集…