「雑談力」でコミュニケーションを円滑に! 気をつけたい落とし穴とは?

赤根千鶴子週刊朝日
 定年退職後、地元の付き合いやボランティア活動、サークル活動の場で「トーク」に悩む人は結構多い。

「絶対にトラブルにならないようにと思うと、何を話したらいいのかわからない」「お互いに気を遣い合うばかりだから、雑談がまったく盛り上がらない」

 そんなシニアの悩みは、どう解決していけばよいのだろうか。

「老後は、雑談するときはまず相手の気持ちに寄り添うことを心がけることです」とアドバイスしてくれたのは川島達史さんだ。川島さんは首都圏・関西圏でコミュニケーション講座を開催し、雑談スキルを指導している。

「もし喫茶店で仲間同士コーヒーを飲んでいるとき、近所に住むAさんが『昨日買ったトマトがいたんでたんだ』と言ったら、皆さんはI「スーパーに苦情いれた? お金をかえしてもらわなきゃ」とII「大丈夫? おなかこわさなかった?」、どちらのコメントで言葉を返しますか?」

 それはIでは?「お金返してもらった?」

「はい、会社勤めをしている間はもちろんそれでOKです。仕事においては何か問題が起きたときは、まず問題を解決することが大事ですからね。しかしビジネスの場ではない『コミュニティー』においては、まず相手の感情を受けとめることが大切です」

「えっ、大丈夫?」と、最初に相手を気遣うということですね?

「そうです。老後の付き合いの場などでは、感情の交流を積み重ねて人間関係を築いていくことが重要なのです。仕事の場では効率を求められますから、どうしても常に問題解決意識が先走る方も多いと思いますが、老後は少しスイッチを切り替えたほうがいいかもしれませんね。相手にしてみれば『自分のことを心配してくれた』その気持ちのほうがうれしいわけですから、そのあとの話の広がり方も全然変わってきます」

 人間、高齢になればなるほど、他人の話を聞かなくなる傾向もあるが、

「それは加齢と共に、自分が周りからどう見られているかという『公的自己意識』が低くなり、反対に自分はどう感じているかという『私的自己意識』が高くなっていくからです。だから高齢者同士の会話は『私はこうだ』の言い合いになり、話が空中分解してしまうんですね。しかし他人の発言を無視して、自分の話したいことだけを話すというのは、会話として一番まずいパターンです」

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