へーっと感心しながら取材を続けていたら、三つ編みにしなくても髪を固定できるクリップが商品化されているのを見つけた。みんな、いろんなことを考えているんですね。

 どこまでいっても、老化にあらがう“挑戦”。究極の対策は美容外科手術となる。糸を使ってリフトアップしたり、顔の下半分の脂肪をとったり……。

 美容整形・美容外科の「サフォクリニック」(東京都港区)の白壁征夫院長によると、今は中高年でも手術を希望する人が少なくないという。86歳の人も受けに来たとか。

 顔にメスを入れない手術もある。ボトックスやヒアルロン酸の注射だ。レーザーや高周波(ラジオ波)で、顔の真皮層に刺激を与え、内部のコラーゲンの生成を促進する手法もある。

 歯並びも影響があるという。例えば「出っ歯」だと鼻の下と唇の間の肉が盛り上がるので、ほうれい線が深く見えてしまうことも。

「子どものころから歯のケアを続けていれば、ほうれい線予防になります」(白壁院長)

 歯並びは人それぞれで、矯正には費用や時間がかかるため、不安なら歯科医に相談してみよう。

 取材で学んだ生活習慣についてもお伝えしよう。

 しみやしわを防ぐには、肌を紫外線などの環境ストレスから守る必要がある。肌の弾力を保っているのは、表皮の下にある膠原線維(こうげんせんい=コラーゲン)や弾性線維(エラスチン)。紫外線によってそれらが変成していくと、弾力は失われる。

 睡眠不足も大敵だ。ぐっすり眠れば、肌の再生を促す成長ホルモンが盛んに分泌される。たばこやお酒の飲みすぎが老化を早めることは、言わずもがな。

 食べ物にも気をつけたい。「糖化」という言葉を聞いたことがあるだろう。酸化を「サビ」とするなら、「糖化」は焦げ。食事で摂取した糖分のうち、エネルギーとして使い切れなかったものが体内のたんぱく質と結びつき、老化物質を生成する。糖分を取りすぎないようにしつつ、野菜をたくさん食べて、バランスのとれた食事を目指そう。たるみ肌の予防だけでなく、生活習慣病の対策にもなる。無理なダイエットはせず、卵や大豆といったたんぱく質も食べよう。

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