人さし指の腹を使い、ほうれい線に沿ってらせんを描きながら、下から上に押す
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出口アヤさんの30秒セルフマッサージ(週刊朝日2018年9月28日号から)
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佐竹真実さんが実践する10のポイント(週刊朝日2018年9月28日号から)
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佐竹流「筆によるリンパ流し」。絵の具の筆などで顔の外側に向かってなでるだけ。最後は首からリンパ節へと流す
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シートパックとは化粧水マスクのこと。化粧水を染み込ませて肌にのせ、乾くまでおく
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 鏡の前で笑ってみる。すましてみる。すねてみる……どれもダメ。鼻の両脇から口の両端に伸びるライン。このくっきりしすぎた「ほうれい線」が憎い。何とかしたい。すがる思いで、専門家を訪ね回った。

【専門家によるおすすめマッサージはこちら】

 初対面の人の年齢を想像するとき、ほうれい線は大きなバロメーターとなる。その「くっきり度」で、見た目の印象は大きく異なる。

「オンナは口から年をとる」とはよくいったもの。頬の脂肪が重力に負けて下に落ちてくると、口の横に非情なる“加齢のサイン”が浮かび上がる。ほうれい線に悩むこと、すでに15年超。諦めきれない記者(49)は徹底取材に乗り出した。

 まず、NPO法人アンチエイジングネットワーク理事長の塩谷信幸医師を訪ねた。御年86の北里大学名誉教授だ。

「これまで老化の象徴といえば、もっぱら『カラスの足跡』といわれる放射線状の目元の小じわでした。ここ数年、ほうれい線を気にする人も多いですね」

 ほうれい線は「線」ではない。頬と口の境目にある「溝」だ。鼻唇溝(びしんこう)という。赤ちゃんにもあるものだ。

「あって当たり前の溝。問題は、頬の脂肪がたるみ、土手が寄って、この溝が深くなることです」

 老化現象だから、脂肪がたれるのを完全に防ぐのは難しいという。でも、このまま漫然と放置しておけば、マリアナ海溝より深くなってしまいそう。先生、きっと何かいい対策がありますよね。

「すぐに消したいのなら美容外科が有効でしょう。メスや注射、糸などで……」

 いきなり手術!? それはちょっと、心の準備が……。年齢的に手遅れなのかもしれないが、何か予防策はないものだろうか。

 美容整形・美容外科の「サフォクリニック」(東京都港区)の白壁征夫院長に助言を求めた。マッサージなど手軽にできることもありますよね。

「血流をよくする点でマッサージは悪くはない。ただ、(目や口などを動かす)表情筋はゴムバンドみたいな筋肉。マッサージをしすぎると、使い古したパンツのゴムみたいに緩んでしまうので、方法や回数に注意が必要です」

 表情筋がたるむと、ほうれい線の溝が深まる。たるまない程度に刺激するのが肝要らしい。

 マッサージが効く部位は、顔にある四つの「リガメント」(腱鞘=けんしょう)。顔面の上から眼窩(がんか)骨、頬骨、頬上顎、下顎の4カ所だ。

 表情筋と骨をつなぐ接着剤の役割をしていて、円柱状に骨膜から直接皮膚についている。貝殻と貝をつなぐ貝柱みたいなものという。そこを押すだけで“緩んだネジ”に刺激が与えられ、リフトアップ効果が期待できるそうだ。

 椅子に座って机に両ひじをつき、両親指で、両側の頬骨下の頬上顎リガメントを軽く押すだけでいい。両頬骨を両手親指以外の4本の指で、下から上に少し外側へ向けながら押すのでもよいという。

 これまでに2万人以上の顔やボディーをケアしてきたという美容家の出口アヤさんにも教えを願った。44歳には見えない美貌(びぼう)の持ち主で、ほうれい線も目立たない。その秘訣(ひけつ)を何が何でも聞きたい。

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