常勝軍団であれば、こういった時にいかに対処すべきかを心得ている。しかし、西武は2008年以来リーグ優勝から遠ざかっているし、さらにソフトバンクには10年に大逆転を許した歴史もある。

 ただ、これを越えなければ本当の強さは身につかない。近年Bクラスに低迷していたチームなら、なおさらだ。

 逆に秋口まで優勝争いに絡んでいる幸せを感じることだ。ここまで勝利を積み重ねてきた自分を信じ抜くべきだ。

 ソフトバンクは西武よりも多く試合を残している。シーズンを終えてソフトバンクの動向を待つ状況になるかもしれないが、その時に“やり残したことはない”と思えるかどうか、だ。

 あとは個人タイトルにも注目したい。セもパも打率は3割5分以上の戦いになるし、本塁打も40本前後が必要になろう。打点も120打点前後と高い数字が必要になる。

 広島の新井に続いて巨人の杉内も引退を表明した。近年は優勝争いやCSに水を差さない、ベテランなりの配慮や、球団側も早期に発表することで、引退試合などの“顔見せ”を行えるようにしている。ファンの方々同様、私もいろいろな思いを背負って野球を見る季節になる。

週刊朝日  2018年9月28日号

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東尾修

東尾修

東尾修(ひがしお・おさむ)/1950年生まれ。69年に西鉄ライオンズに入団し、西武時代までライオンズのエースとして活躍。通算251勝247敗23セーブ。与死球165は歴代最多。西武監督時代(95~2001年)に2度リーグ優勝。

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