「サクラさんは、キャラクター性が非常に高く、画面に出たときの強烈なオーラがある女優さん。そのオーラをいい意味で中和させてくれる、視聴者とドラマのインターフェースのような役割も(愛菜ちゃんは)果たすのではないでしょうか」

 そう話すのは、上智大学の碓井広義教授(メディア文化論)。碓井教授は、芦田と日清食品との奇縁について、こう続ける。

「2011年から、日清の『チキンラーメン』のCMに出演していました。ひよこの着ぐるみのかわいらしい姿が好評でしたが、今年はチキンラーメン誕生60周年。しかも、そのCMキャラ『ひよこちゃん』は、ひよこの世界と人間界をつなぐ存在でもあった。まさにドラマの世界と視聴者をつなぐ存在の語りと同じ。この二重、三重のリンクに、すごいな、NHK大阪放送局と感じました」

 日清だけでなく、NHKとの縁も深い。

「11年の『江』で大河ドラマに出演、同年には『マル・マル・モリ・モリ!』で、『紅白歌合戦』にも鈴木福くんと一緒に出ました。14歳にして、NHKの3大看板番組を経験した女優さんになったとも言えます」(碓井教授)

 演技だけでなく語りでも視聴者の心を動かしてほしい。(本誌・太田サトル)

週刊朝日  2018年9月28日号