大坂なおみ全米オープンで快挙 残酷と無垢が導いた勝利

大塚淳史週刊朝日
米国から羽田空港に到着した大坂なおみ (撮影/大塚淳史)
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米国から羽田空港に到着した大坂なおみ...

 コートでは気迫いっぱいの強さを見せる一方で、会見では「原宿」「おすし」と、はにかんだ笑顔で日本語を話す。スーパー「はたち」、大坂なおみ(20)の一挙手一投足に日本中が夢中だ。テニス4大大会のシングルスで日本人初優勝を遂げ、9月17日開幕の東レ・パンパシフィック・オープンでの活躍に期待が集まっている。

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「彼女はオンとオフの差が大きい。普段は無垢さを見せますが、コートに立つと、ある意味冷徹なまでに勝負に徹することができます。決勝では、セリーナに勝つことしか考えていなかったはず。でも、試合が終わった瞬間には、セリーナのファンに戻っていました」

 そう話すのは、スポーツライターの内田暁さん。大坂がセリーナ・ウィリアムズと戦った全米オープン決勝の会場にいた。

 大坂の優勝セレモニーを待ち受けていたのは会場の不満の声で、セリーナ自らが「ノーモア ブーイング(ブーイングはもうやめて)」と言う始末。そんな雰囲気で大坂がまず口にしたのは、「アイムソーリー」という優勝者らしからぬ言葉だった。「こんな結果でごめんなさい」。涙を浮かべ、英語でそう話した。

「これまで経験したことがないほど、試合でのブーイングがとにかくすごかった。叫んでも、隣の人の声が聞こえにくいほどでした。表彰式でも続くブーイングは、もはや誰に対してぶつけているかもわからない感じでした」(内田さん)

 そんな大逆境のなか、大坂の一言で会場が祝福ムードに一変した。自らがセリーナの大ファンだからこそ、観客の思いを察した言葉だったのか。試合での残酷なまでの力強さとは打って変わった、素朴な語り口。こうした落差が大坂の魅力の一つ、と内田さんはみる。

 元プロテニスプレーヤーの杉山愛さんも、普段の大坂の姿を、純粋と評する。

「無邪気でピュアな子。あまり飾らない。何か質問すると、こう答えるかなと思ったのとは違ったことが返ってきます(笑)。本心で話しているのだと思いますが、試合後の会見で見せるあのまんまです」

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