自分では衰えを感じながらも、まだチームの中でできることはあると考えていた。勝負所で力を発揮できる自信もあった。しかし、私自身が考えるチーム内の立ち位置と、監督や球団が考える私のポジションがずれてしまった部分があった。引き際をどう考えるかは人それぞれ。本人しかわからない葛藤がある。

 優勝争いの裏で、引退であったり、戦力外であったり、来季に向けて動き始めている。クライマックスシリーズ(CS)進出も厳しくなったチームは、他チームより先に来季に目を向けて動き出している。楽天は石井一久GMが誕生した。どこでチームが方針転換するか。メジャーリーグほど劇的に起用を切り替えることは難しいとは思うが、下位チームは逆に、早く動き出せる利点を生かすしかない。

 しかし、今年は本当に大逆転勝利の試合が多いな。先発投手が長いイニングを投げられないから、救援陣の登板過多が続く。夏の酷暑も重なり、例年以上に救援陣がへばっている。いかに投手陣の疲労を回復してCSに入るかも日本一となる上で大きなテーマになる。

週刊朝日  2018年9月21日号

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東尾修

東尾修

東尾修(ひがしお・おさむ)/1950年生まれ。69年に西鉄ライオンズに入団し、西武時代までライオンズのエースとして活躍。通算251勝247敗23セーブ。与死球165は歴代最多。西武監督時代(95~2001年)に2度リーグ優勝。

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