人は「死ぬのだから食べない」 “死に方”を話し合う施設が増加中 (1/2) 〈週刊朝日〉|AERA dot. (アエラドット)

AERA dot.

人は「死ぬのだから食べない」 “死に方”を話し合う施設が増加中

このエントリーをはてなブックマークに追加
村田くみ週刊朝日
認知症の妻(右)の手を握りながら、食事を口に運んで介護する夫(本文とは直接関係ありません)。

認知症の妻(右)の手を握りながら、食事を口に運んで介護する夫(本文とは直接関係ありません)。

人生の最終段階で、医療・ケアの方針をどのように決めるか(週刊朝日 2018年9月14日号より)

人生の最終段階で、医療・ケアの方針をどのように決めるか(週刊朝日 2018年9月14日号より)

最期を迎える場所を考えるうえで重要なこと(週刊朝日 2018年9月14日号より)

最期を迎える場所を考えるうえで重要なこと(週刊朝日 2018年9月14日号より)

看取りまでの経過(週刊朝日 2018年9月14日号より)

看取りまでの経過(週刊朝日 2018年9月14日号より)

  人生の最終段階は千差万別だ。がん末期のように、死を迎える日が短くて数日、長くても2~3カ月と予測ができる場合もあれば、慢性疾患の症状悪化を繰り返して見通しが立たない場合もある。脳血管疾患の後遺症や老衰は、数カ月から数年かけて死を迎える。

【図】人生の最終段階で、医療・ケアの方針をどのように決めるか

 最終段階での延命治療を拒む意思を本人が示していても、息子や娘などの家族が同意しないケースや、家族内で意見が分かれて合意が図れないケースもある。

 そこで、最近注目されているのが、終末期の医療やケアの希望について、本人が家族や主治医、介護スタッフなどと事前によく話し合う方法だ。「アドバンス・ケア・プランニング」(ACP)と呼ばれている。

 最晩年は一人ひとり心身の状態が違うため、医療、介護スタッフなどのチームが連携しながら話し合うことになる。そのためにも、自らの体調の変化や医療での不安を相談しやすい、かかりつけ医を見つけておくことが大切だ。

 特別養護老人ホームやグループホームへ入るときは、要介護度が重くて本人の意思を示せない場合も多い。介護現場でも、家族や医師、介護スタッフらの間で「どんな最期を迎えたいか」と、あらかじめ話し合いの場を何度も持つ施設が増えている。

 東京都世田谷区の特別養護老人ホーム「上北沢ホーム」は約10年前から、施設での看取りを始めた。まず入居の際、施設側からこの取り組みを説明する。日々の様子を家族に伝えるなかでも、看取りの段階に差しかかると医師が家族に状況を伝え、看取り介護同意書にサインをもらう。昨年度は退所者41人のうち、25人を看取った。

 人生の最終段階、終末期とはどんな状態になるのか。大半の家族はその想像がつかない。同ホームはパンフレットを用意し、「看取りまでの身体の経過」を説明している。

 同ホームの石飛幸三医師は、こう話す。

「人生の終わりが近づくと、身体は代謝を終えようとします。以前のように多くのエネルギーを必要としなくなります。どの生き物にも共通することは、『食べないから死ぬ』のでなく、『死ぬのだから食べない』のです。高齢者が自然の摂理として最期を迎えようとするなか、家族は『このまま何もしないで死なせてはいけない』と思い、医師も『治さなければならない』と延命治療する。介護スタッフも人の死ぬ様子を見たことがないため、現場ではまだ、本人を苦しませることがあります。この先どんな様子になるか、職員や医師と話し合いながら、その人のために今できることを探し、後悔しないように過ごしてほしいのです」


トップにもどる 週刊朝日記事一覧

続きを読む

おすすめの記事おすすめの記事
関連記事関連記事

あわせて読みたい あわせて読みたい