ついに「シニア女子」も登場(※写真はイメージ)
ついに「シニア女子」も登場(※写真はイメージ)
女子の歴史(週刊朝日2018年9月14日号より)
女子の歴史(週刊朝日2018年9月14日号より)

「○○女子」はすっかり日常用語になり、しかも、その対象年齢は上がる一方だ。今では50歳以上の女性たちが普通に自分たちのことを「女子」と呼んでいる。もともとは学校用語だった「女子」。いつから世を席巻するようになったのか。

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 世代・トレンド評論家の牛窪恵さんが言う。

「5~6年前ごろからでしょうか、50、60歳代の女性たちに『女子』と呼びかけると嫌がらないんです。そうですね、『大人女子』が一番抵抗がないですね」

 職業柄、消費トレンドを探ったりするため、一般女性にインタビューすることが多い。「どう呼ばれたいか」はその時々の時代の雰囲気が凝縮して表れるので、よく質問する項目だ。

「とにかく、以前、使われていた表現には拒否反応を示しますね。『熟年』は年寄りくさいし、ましてや『熟女』なんて絶対イヤ。意識の中では実年齢のマイナス10歳、20歳ぐらいの感覚ですから。逆に若い子の呼び名で呼ばれることにはまったく抵抗がありません」

 その結果が「大人女子」というわけだ。

 博報堂「新しい大人文化研究所」(新大人研)の阪本節郎所長も、50歳代の女性にインタビューをしていて同様の体験をした。

「若々しくしたいと思っていますかと尋ねると、『そんなことは思っていません』と言うので、では、どうしたいんですかと聞いたんです。答えは、『だって、私、若いですから』でした」

 新大人研が昨年行った調査によると、「シニアと呼ばれてみたいと思いますか」という問いに対して「はい」と答えたのは、50歳代女性ではほぼゼロに近い「0.6%」、60歳代女性でもわずか「9%」だった。

「例えばちょっと前の60歳代女性というと、『おばあさん』のイメージなんですね。今の女性は、見た目からして60歳代でも老人らしい女性は少ない。自分たちは前の世代とは全然違うと思っているんです」

 実際、50歳代以上の女性たちが、自分たちのことを普通に「女子」と呼ぶようになっている。30歳代の女性会社員が、

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首藤由之

首藤由之

ニュース週刊誌「AERA」編集委員。特定社会保険労務士、ファイナンシャル・プランナー(CFP🄬)。 リタイアメント・プランニングを中心に、年金など主に人生後半期のマネー関連の記事を執筆している。 著書に『「ねんきん定期便」活用法』『「貯まる人」「殖える人」が当たり前のようにやっている16のマネー 習慣』。

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