プロゴルファーの丸山茂樹氏が、20年ぶりに優勝したアジア大会ゴルフ男子を祝福するとともに、自身も参加した同大会の思い出を振り返る。
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いやあ、久々に勝ってくれましたね! ジャカルタで開かれていたアジア大会のゴルフ男子個人で、中島啓太君(東京・代々木高3年)が金メダル! 3人の合計で争う団体でも日本が優勝! 個人も団体も20年ぶりの「金」でした。
啓太君はマルジュニアの試合にいっぱい出てくれてる子ですから、とくにうれしいです。僕の息子の奨王(しょうおう)ともすごく仲がよくて連絡をとりあったりしてるんです。今回も「啓太が優勝したよ」って、息子から教えてもらったぐらいですから。個人だけでなく、みんなの力を合わせて団体もとったってのが非常にいいですよね。しっかりと日本チームに貢献してくれました。
あれはもう、28年も前になりますか。僕も北京であったアジア大会で個人と団体の金メダルをとりました。日大の3年生でしたね。あれは、とにかく珍道中だったのを覚えてます。
選手村でお風呂に入ろうとしたら、出てきた水が茶色くて……。シャワーを浴びようと思ったら、蛇口が錆びてて……。2、3日したら部屋の柱からキノコが生えてくるし。「宿舎の水道で口をゆすぐな」と言われて、歯を磨くときにスポーツ飲料を水代わりに使った日もありました。「歯を磨けば磨くほど虫歯になるじゃねえか!」って。無料でジュースが飲める機械には大腸菌が入ってるから使うな、とも言われて。僕の後輩は食あたりで苦しんでたし、なんだかもう、すごいところに来ちゃったなという感じでしたよね。
あとは開会式の前に秋篠宮さまに激励していただいたのを覚えてます。開会式の盛り上がりも、すごかったな。いろんな競技の選手が集まった総合大会で日の丸をつける重みを実感したのは、あのときだなあ。
優勝して表彰式で君が代を聞いたときは感激しました。代表のジャージーを着て表彰台の真ん中に立って。個人戦はプレーオフで優勝したから、ゴルフ場のキャディーとか従業員のみなさんがすごく応援してくれてね。表彰式にも集まってくれて、めちゃくちゃうれしかったなあ。