梅の実は昨年まで2年連続の不作。今年も不作の可能性があると、あるメーカーでは原料の在庫をあらかじめ確保。これが幸いして今夏に増産が可能になったが、メーカーによっては原料を十分に確保できていなかったところもあったようだ。

 とはいえ特需で売り上げアップならば、メーカーにとってはうれしい悲鳴かと思えば、取引先に迷惑をかけていることもあり、「静かに過ぎ去ってほしい」(関係者)と微妙な反応を示す。さらに、原料の梅の実がここ数年の異常気象で値段が高止まりしてきたうえに、従業員は残業・休日出勤しているので「あまりもうけがない……」と嘆くメーカー担当者も。

 気象庁によると、関東甲信地方の9~11月の3カ月予報で平均気温が高くなる確率は50%。残業・休日出勤が続く梅干しメーカーの担当者は「9月半ばまでこの体制を続ける」と話している。

 対応に忙殺される関係者には暑い夏がまだまだ続きそうだ。(本誌・浅井秀樹)

※週刊朝日オンライン限定記事