【文豪の湯宿】直木三十五も入った「テルマエ・ロマエ」ロケ地の名湯 〈週刊朝日〉|AERA dot. (アエラドット)

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【文豪の湯宿】直木三十五も入った「テルマエ・ロマエ」ロケ地の名湯

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鈴木裕也週刊朝日

岸権旅館(きしごんりょかん)/群馬県渋川市伊香保町伊香保甲48 

岸権旅館(きしごんりょかん)/群馬県渋川市伊香保町伊香保甲48 

 文豪たちの作品に登場する温泉宿を訪ねる連載「文豪の湯宿」。今回は「直木三十五」の「岸権旅館」(群馬県・伊香保温泉)だ。

【写真特集】直木三十五も入った「テルマエ・ロマエ」ロケ地の名湯

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 昭和4年初夏、直木三十五は友人らとともに伊香保温泉を訪れた。この年から「週刊朝日」に連載を始めた「由比根元大殺記」で流行作家として認められたばかりの頃だ。

 宿泊したのは創業1576年の老舗・岸権旅館。竹久夢二ら文人墨客に愛された宿である。直木が訪れたのは執筆のためではなく観光で。宿の書画帳の記述から、同行者は作家の南部修太郎、劇作家の池谷信三郎、詩人の霜田史光、後に文藝春秋幹部となる作家の佐佐木茂索・房子夫妻の5人。だが、せっかくの旅行も外出できないほどの雨にたたられてしまったようだ。南部の記述によると、佐佐木夫妻は浅間節を唄い、直木と霜田が碁を打ち、池谷は読書をしながら雨が通り過ぎるのを待った。

 書画帳には直木も“奇妙な”一文を残している。

〈狐十七 日傘をさして 雪の降る夜を お湯がよひ〉

 夜になってもやまない雨のため、離れにある露天風呂「権左衛門の湯」まで傘をさして出かけたことを記したのかもしれない。映画「テルマエ・ロマエ」のロケ地にもなった名湯だ。雨でも入浴する価値はある。(文/本誌・鈴木裕也)

■岸権旅館(きしごんりょかん)
群馬県渋川市伊香保町伊香保甲48

週刊朝日  2018年9月7日号


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