納骨堂が都心で急増 「墓じまい」失敗から学ぶポイントとは (2/3) 〈週刊朝日〉|AERA dot. (アエラドット)

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納骨堂が都心で急増 「墓じまい」失敗から学ぶポイントとは

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大崎百紀週刊朝日#シニア#終活
東京・麻布十番の龍澤寺の納骨堂「ゆめみどう」。吹き抜けの明るい空間で花が飾られている

東京・麻布十番の龍澤寺の納骨堂「ゆめみどう」。吹き抜けの明るい空間で花が飾られている

墓じまい 残念な失敗例(週刊朝日 2018年8月31日号より)

墓じまい 残念な失敗例(週刊朝日 2018年8月31日号より)

南春寺の永代供養墓「有縁塔」(提供写真)

南春寺の永代供養墓「有縁塔」(提供写真)

遺骨を入れる厨子。この写真では7寸の骨壺が一つと、収蔵器が二つ入っている

遺骨を入れる厨子。この写真では7寸の骨壺が一つと、収蔵器が二つ入っている

オフィス家具の「共栄工業」(東京都品川区)がつくるロッカー式納骨堂。上段に位牌などを置いて下段に骨壷を入れる

オフィス家具の「共栄工業」(東京都品川区)がつくるロッカー式納骨堂。上段に位牌などを置いて下段に骨壷を入れる

金属カプセルに遺骨の一部を入れ、透明なキューブ型のアクリルに閉じ込めた「クリスタルメモリー心晶」

金属カプセルに遺骨の一部を入れ、透明なキューブ型のアクリルに閉じ込めた「クリスタルメモリー心晶」

 永代供養墓は費用が安く、管理が楽な点で評価されている。

 選ぶ際のポイントは、遺骨が個別に扱われるのか、他人のものと一緒に合祀(ごうし)されるのかだ。一般的には、屋外の大きな墓に合祀される。遺骨の収蔵が簡素で、墓石に名前も刻めない低価格な墓もある。

 ただ、費用は1体ナンボ。閉じようとする墓に13体あった場合、1体あたり30万円なら、計390万円という計算になる。

「複数人分の遺骨があって全員を永代供養墓に移すには、それだけ費用が膨らみます」(佐々木さん)

 真宗大谷派の南春寺(東京都新宿区)の、永代供養墓を紹介しよう。一つは「有縁塔(うえんとう)」と書かれた永代供養墓(埋葬費用3万円)。もう一つが「無量壽(むりょうじゅ)」(同5万円)。後者は他人の遺骨と混ざらないように、納骨袋に分けた形で入れられる。希望すれば石碑の側面に銘盤プレート(別途2万5千円)を飾ることもできる。いったん支払えば、管理料やお布施などは一切かからない。

 南春寺の住職が、行き場のない遺骨を持つ人を支援する目的で、5年前から「終の棲家なき遺骨を救う会」を通じて募集している。いまでも毎日新たに20~30体の遺骨を受け入れている。

 山形県の70代の女性は両親の納骨のために、都内在住の姉と姉の息子と共に7月に訪れた。実家近くの墓に眠っていたが、高台にあり不便だったという。

「これからは頻繁に祖父母の墓参りができます」(姉の息子)

 東京・築地本願寺は永代供養墓にあたる「合同墓」を昨年開設した。年間の管理料はかからない。最初から他人の遺骨と一緒になる場合は30万円以上。6年まで個別保管するのは50万円以上、32年までだと100万円以上になる。

 すぐそばは銀座で、交通も便利。以前なら都心に墓を持つことは考えられなかったが、永代供養墓で身近になってきた。

 屋内に遺骨を安置するのが納骨堂だ。近年急増していて、都心でも建設ラッシュの状況だ。

 納骨堂は大きく分けて「固定式」(ロッカー式、仏壇式など)と、「搬送式」がある。

 搬送式では厨子(ずし)に遺骨が収蔵され、参拝時に自動で運ばれてくる。受付で参拝カードをかざせば、厨子がすぐに参拝口まで運ばれる仕組みだ。

 東京・麻布十番の龍澤寺の納骨堂「ゆめみどう」は昨年6月に販売を始めた。吹き抜けの明るい空間で、内装は三越伊勢丹プロパティ・デザインが担当し、日比谷花壇の花が飾られている。坐禅堂やヨガを行うスペースもある。

 4寸骨壺が二つまで収蔵できる「コンパクトタイプ」だと48万円。収蔵時に2万円かかるが、年間のコストは会費の1万2千円だけ。支払いが3年間滞ると、参拝者がいなくなったとみなされ、屋外の永代供養墓に移される。

「立地の良さもあって成約率は5割に達しています」(担当者)


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