はっきりいって、1980年代の黄金時代と言われる西武打線より、得点力は高いのではないかな。

 そして、今の打線の状態だからこそ、考えてほしいことがある。それは投手陣の整備だ。2016年ドラフト1位の今井が先発ローテーションに入っており、高橋光成も8日のオリックス戦で復帰した。若い投手は、この打線なら4、5点はとってくれると気楽に考えてもらいたい。自分のことだけを考えて自滅するのではなく、どうやって試合を作っていくか、そしてゲームプランをしっかり持って試合を作ってほしい。0点に抑えようと思うと、投球は小さくなってしまうし、結果的にKOされてしまう。

 リーグ優勝はともかくとして、クライマックスシリーズ以降のことを考えても、菊池と多和田だけでは日本一にはなれない。3人目、4人目の先発の成長、勢いが必要になるし、救援陣も状態を整える必要がある。増田あたりはしっかりと秋口の戦いに向けコンディションを上げてほしい。

 他球団を見渡しても、大型連勝できるだけの投打に歯車がかみ合ったチームはない。今の状態を維持できれば、勝ち抜ける。若い選手には積み上げてきた自分たちの野球を信じ、最後まで戦うことを期待する。

週刊朝日  2018年8月31日号

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東尾修

東尾修

東尾修(ひがしお・おさむ)/1950年生まれ。69年に西鉄ライオンズに入団し、西武時代までライオンズのエースとして活躍。通算251勝247敗23セーブ。与死球165は歴代最多。西武監督時代(95~2001年)に2度リーグ優勝。

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