野菜スープのバリエーション。カブ、パプリカ、トマトで彩った
野菜スープのバリエーション。カブ、パプリカ、トマトで彩った

「活性酸素」による体の“サビ”が、老化を早め、がんや認知症、動脈硬化や高血圧など様々な病気の原因になっている。そこで注目されているのが、強い抗酸化作用のある「ファイトケミカル」だ。効率よくファイトケミカルを摂取でき、米・ハーバード大学で免疫について研究した麻布医院の高橋弘院長もすすめる基本的な野菜スープのレシピを紹介する。

【レシピ】食事でつくるサビないカラダ スープの作り方

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 皮やヘタ、種やワタまで利用し、野菜のだしを徹底的に引き出す調理法だ。食べてみると、とっても薄味で少々苦みもある“やさしい味”。舌がふだんから濃い味に慣れているので、少々物足りない。塩を入れたくなるが、高橋院長はこういさめる。

「塩分を含むスープを毎日食べると塩分過剰になり、高血圧や胃がんのリスクを高めます」

 野菜スープを毎日食べているうちに野菜の本来のうまみに気づき、濃い味に慣れた舌を改善できる利点もあるという。

 調味料を加えたいときは、ポリフェノールの一種であるクルクミンが含まれるカレー粉を入れるといい。他にもパルメザンチーズやすりごま、おろししょうが、みそを少し足してアレンジすることもできる。

 野菜スープは薄味ゆえに、いくらでも味のバリエーションを増やせる「魔法のだし」と言えるのかもしれない。

■材料(1回分)
キャベツ・玉ねぎ・ニンジン(皮つき)・かぼちゃ(皮つき)を各100グラム、水約1リットル
■作り方
(1)野菜を切る。キャベツはざく切りにして、芯の部分も捨てずに一口大に。玉ねぎは外の皮をむいて一口大にし、皮は捨てないでとっておく。ニンジンは皮をむかずに乱切り、またはいちょう切りにして、ヘタはとっておく。かぼちゃは種とワタを取り除いてとっておき、皮ごと一口大にする
(2)玉ねぎの皮とニンジンのヘタ、かぼちゃの種とワタは、だし袋に入れる
(3)鍋にキャベツ、ニンジン、玉ねぎを入れる。煮崩れを防ぐため、かぼちゃは後から入れる
(4)野菜が浸るくらい水を加え、強火にかけて沸騰させる。このときにだし袋も入れる
(5)ふたをして弱火で10分煮込む
(6)かぼちゃを加えてさらに10分煮込む
(7)だし袋を取り出したらできあがり

*作り置きをすると便利。冷蔵庫なら2~3日、冷凍庫なら2~3週間保存できる

週刊朝日 2018年8月17-24日合併号