「彼はもともと真面目だった。しかし、中学・高校のころから強く、世間のことを知らなかった。謹慎期間中に、自分が生きている意味をしっかり考えられるようになったことで、精神面が強くなったのではないでしょうか。謹慎中にフィジカルトレーニングをしっかりしたことでスタミナがつきました。スタミナがつけば余裕を持って相手をみられます。技術が高いので、相手が決めにきたスマッシュを普通に返し続け、相手がどんどん焦って自滅していた」(折山さん)

 桃田同様、東京五輪で金メダルを有力視されているのが、卓球男子シングルスの張本智和(15)だ。今年1月の全日本選手権では、リオ五輪の銅メダリストである水谷隼(29)を破って、最年少での優勝を決めた。その後、4月にはアジア・カップで世界ランク1位の樊振東(中国)に勝利したり、6月のジャパンオープンで五輪連覇中の馬龍(中国)にも勝利するなど、世界中から注目される存在になった。卓球コラムニストの伊藤条太さんは、張本の強さをこう評した。

「中国のトップ3であり、世界のトップ3に勝った。全日本王者になった張本が強いのはわかってはいますが、まだ中学3年、まさか今勝つとは思わなかった。伸び方がすごすぎます。このまま伸びたら、誰も勝てなくなるのではないか」(本誌・大塚淳史)

週刊朝日 2018年8月31日号