(1)できる範囲で予習


 自分のがんについて、国立がん研究センターがん対策情報センターのウェブサイト「がん情報サービス」などを利用して、ある程度、予習しましょう。

(2)三つの要点をしっかり聞く
▼自分のがんは今、どのような状態にあるのか
▼見通しはどうか
▼どのような治療がベストか
 枝葉末節にこだわらず、この三つの要点をしっかり聞いて理解しましょう。

(3)専門用語はその場で確認
 担当医は噛み砕いて説明をしてくれますが、どれだけ予習して臨んでも、説明の中には難しい専門用語が必ず出てきます。わからないままにうなずくのではなく、遠慮なく意味を聞きましょう。

(4)復唱して理解を確認
 あやふやな点や、思い違いをなくすために、「今のご説明はこういうことですね?」と自分の言葉で復唱して、確認しましょう。

(5)時間で切り上げ、必ず復習
 聞きたいことが残っていても、アポイントの時間内に切り上げましょう。相談の初めに「今日は何時まで大丈夫ですか」と尋ねておくといいでしょう。

■第三者に同席してもらう

 帰宅後、担当医に聞いた話を整理して理解を深め、さらに不明な点を洗い出します。なかには担当医でなくても答えてもらえるものもあるので、がん相談支援センターに出向き、尋ねてみましょう。それでも解決できない場合は、改めて担当医に相談しましょう。

 できれば家族など、冷静な人に同席してもらうほうが理解も深まり、思い違いも少なくなります。

 聖路加国際病院の橋本久美子看護師は次のように話します。

「相談時に看護師が同席してくれる病院もあります。看護師に『こういう意味ですよね?』と確認したり、看護師から『そのことはあとで私からご説明しますね』と言ってもらえたりするので、安心して進められるでしょう」

【監修】
日本医療コーディネーター協会代表理事
嵯峨崎泰子さん

聖路加国際病院
相談支援センター医療連携室・がん相談支援室アシスタント
ナースマネジャー
橋本久美子看護師

(文/別所 文)

※週刊朝日ムック「がんで困ったときに開く本2019」から抜粋